Project/Area Number |
09J06423
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
菅原 泰晴 中央大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 大質量星 / X線観測 |
Research Abstract |
私は高精度のX線分光観測という手法を用いて、太陽の20倍以上の質量を持つ大質量星、その進化末期段階にあるウォルフ・ライエ星(W-R星)の質量放出現象および、そのX線放射機構の理解を目的として研究を行っている。本研究では、W-R星と大質量主系列星(W-R星より進化が若い)の連星系からのX線放射および星風加速に関して、新たに以下の知見を得ることができた。 1.W-R星と大質量主系列星の連星系WR140を連星間距離が異なる地点で複数回観測し、W-R星からの距離の異なるプラズマサンプルを取得、ここから放射されるX線の吸収や温度、光度を測定した。解析結果と星風衝突理論を用いた数値シミュレーション結果と比較し、伴星の星風加速が従来考えられていたものに比べ、遅いことを初めて明らかにした。これは星風加速の理論への貢献が期待される、非常に興味深い観測結果であった。さらに、W-R星から初めて、エネルギー10keV以上の超硬X線放射の存在を確認した。これは超高温成分もしくは、星風中の紫外線による星風衝突電子の逆コンプトン散乱放射である可能性があり、新たな粒子加速源候補として報告した(国外の研究会で報告)。 2.最も進化が進んでおり、恒星中最速の星風を有するWO型W-R星と大質量主系列星の連星系WR30aについて、初の試みであるX線分光観測をXMM-Newton衛星を用いて実施し、X線を初検出した。他の星風衝突連星系からのX線の多くはエネルギー3keV以下の軟X線帯域で支配的な数千万Kの熱放射モデルで再現されることが報告されているが、これとは別に、全く予期せぬエネルギー4keV以上の硬X線放射の存在を確認した。この硬X線放射成分が受ける吸収量は軟X線放射成分に比べ10倍以上高く、一様球対称なW-R星風による吸収を仮定したところ、この成分はW-R星のごく近傍に存在していることが分かった(国内の研究会にて報告)。この硬X線放射は、星風衝突現象の統一的な理解への貢献が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)