Project/Area Number |
09J06543
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 紘平 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | スピントロニクス / 超伝導体 / メゾスコピック / 純スピン流 / 非局所注入 / 微小領域磁性 |
Research Abstract |
昨年度から引き続き、非平衡状態の超伝導状態におけるスピン流および準粒子の緩和・拡散過程に関する研究として、常伝導体/超伝導体界面を通した超伝導状態にあるニオブへのスピン流の吸収現象についての実験を行った。とくに、超伝導ギャップによるスピン流吸収の抑制効果について調べた。 実験にはおもに、超伝導体/常伝導体/超伝導体接合と強磁性体細線、およびそれらを架橋する非磁性常伝導体細線からなる面内複合構造を用いた。作製には昨年度までに確立した電子線加熱蒸着法を応用した斜め蒸着法を用い、超伝導体としでニオブ、強磁性体としでニッケル鉄合金、非磁性常伝導体として銅を用いた。超伝導体/常伝導体/超伝導体接合構造は、十分低温において近接効果により超伝導性を示す特徴があり、本研究においては超伝導体が超伝導状態にあることの指標として用いた。昨年度までに確認された超伝導状態中への純スピン流吸収の励起電流依存性に関して、本年度はスピン流を担う電子のエネルギー分布を考えたモデルによる説明を試みた。実際の実験を行うとともにモデルに基づいた数値計算を行い、それらの比較を行った結果、非局所純スピン流の吸収過程が超伝導ギャップによって抑制されていることと、それがエネルギー分布を考えたモデルによって説明可能であることを示された。同時に、非局所にスピン偏極した準粒子を励起できることを示し、超伝導状態中におけるスピン流の研究を行う際に非局所スピン流注入を行える可能性を示した。 この純スピン流の非局所注入法の適用は、超伝導状態中におけるスピン偏極準粒子の緩和過程に関して定量的解析を可能とし、超伝導スピントロニクスの研究において大きな発展が期待されるものである。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)