記憶検索における前頭連合野からのトップダウンシグナルに関する神経生理学的研究
Project/Area Number |
09J06622
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
アンドレアウ J 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 記憶検索 / 長期記憶 / 対連合課題 / 前頭連合野 / 単一ニューロン活動 / サル |
Research Abstract |
長期的に記憶した情報を検索する際、前頭連合野から後部の脳領域に向けて送られるトップダウン信号が重要な役割を担っている可能性が、多くの先行研究により示唆されている。本研究の目的は、記憶検索時の前頭連合野ニューロンの活動を解析し、その役割を明らかにすることである。この目的のために、2頭のサルに長期記憶を必要とする「対連合課題」を学習させ、前頭連合野外側部から単一ニューロン活動を記録した。この課題では、サルがレバーを押すと、視覚刺激ペアのどちらか一方がサンプル刺激としてCRT画面上に0.5秒間呈示され、5秒間の遅延期を置いてから、ペアのもう一方(ターゲット)か、または妨害刺激のどちらかが呈示される。ターゲットが呈示された場合、サルはレバーを離し、妨害刺激が呈示された場合は、レバーを押し続けなければならない。これまでに、両方のサルから約200個のニューロン活動を記録し、サンプル刺激呈示期と遅延期における活動傾向を解析した。サンプル刺激呈示期には、多くのニューロンが一過性に発火頻度を増加させ、そのうちの一部は特定の視覚刺激に対して選択的に反応する傾向があった。さらに、刺激選択性を示したニューロンの一部は、特定の刺激ペアに対して特に強く反応する傾向が観察された。このような活動は、先行研究により下部側頭葉において観察された対符号化ニューロン(Sakai & Miyashita, 1991)の活動と類似したものである。この結果を基に作成した論文は、学術誌「Brain and Cognition」に受理された。また、遅延期においては、多くのニューロンが漸次的に発火頻度を増加させる傾向が観察され、その一部は刺激選択性を示した。このような活動傾向は、前頭連合野ニューロンが記憶情報の検索プロセスに積極的に関与していることを示唆しており、現在は、遅延期活動に関する詳細な解析を行い、論文にまとめる作業を進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)