M(V)を用いた新規キラル磁性体の合成と、構造-磁性-光学効果の総合的理解
Project/Area Number |
09J06688
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
東川 大志 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | キラル / 分子磁性体 / Dzyaloshinsky-Moriya相互作用 |
Research Abstract |
本年度は結晶構造制御によるDzyaloshinsky-Moriya(DM)相互作用の観点から研究を行った。H=DM[SxS]で表されDMはベクトルとして扱われる。DMはg値の2からのズレに比例して大きくなると考えられており、より安定化するために、磁気異方性の比較的大きな金属イオンを用いて研究を行った。過去に結晶構造制御によるDM相互作用制御の報告例は無い。本研究はDM相互作用の存在を実験的に証明でき、磁性制御の新たな手法を確立できると期待される。 1:1,2-ジアミノプロパン(pn)を用いた[W(CN)_8]_4[Cu(pn)(H_2O)]_4[Cu(pn)]_2・2.5H_2OのDM相互作用の大きさを見積もることに成功した。S体とアキラルな結晶を測定すると、5体でのみ弱強磁性が発現し、スピンは約1.8°傾いていた。この時のDMの大きさは2.6cm^<-1>程度だと判明した。交換相互作用の係数Jとの比であるDM/2Jの値は6.4x10^<-2>程度であり、過去の報告と比較すると値は妥当と考えられる。また、理論的に予測されているキラルらせん磁気構造特有の磁気挙動を5体のみが示したことから、磁気構造はキラルらせんだと考えられる。同程度のDMが存在している場合、単位格子が約98個(974A)でスピンが1周することになり、非常に長大な周期が予測される。以上の実験内容に関しての論文を現在作成中である。また、西日本大会、国際学会(招待公演)で学会発表した。 2:新たなキラルおよびラセミの結晶を得ることに成功した。組成は[Cu^<II>(pn)_2][Cu^IW^V(CN)_8]・H_2Oであり、反応中にCuイオンが部分還元されていた。化合物は120℃付近で脱水が起こり、可逆的に結晶水の吸脱着が可能である。R体キラル磁気構造研有の挙動が観測された。日本化学会第90春季年会において発表した。この内容も論文作成中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)