Project/Area Number |
09J06773
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物分子生物・生理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 桃子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 発生 / 組織分化 / 形態形成 / 器官成長 / 細胞増殖 / 複葉 / 多様性 / CINCINNATE遺伝子 / 細胞伸長 / 形態多様性 / 器官原基 / 細胞分裂 / KNOX / in situ hybridization / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
自然界に見られる生物の形態多様性を生み出す発生基盤の解明は、生物学における重要な課題のひとつである。本研究では植物の葉について、その解明を目指した。葉の複雑な形態が形成される過程では、葉原基の辺縁領域に小葉の原基が方向性をもって形成される。形成方向は種によって異なっており、その違いは形態多様性を生み出す大きな要因になっている。近年の研究で、小葉形成に必須の転写因子群や植物ホルモンが明らかになってきている一方、小葉形成の方向を決める機構は、ほとんど理解されていない。そこで本研究では、小葉形成方向決定機構の解明を目的とし、同一の科に属し比較的近縁でありながら方向性の異なる二種(求頂的なタイプのハナビシソウと求基的なタイプのクサノオウ)を材料として選定して多角的なアプローチで発生学的解析を進めた。私は、なんらかの発生要因に勾配があることを想定し、特に葉原基の成長速度と、組織の分化状態について検討した。まず、葉原基の成長を経時的に観察する実験系を構築し、成長速度の測定を行った。その結果、ハナビシソウでは葉の先端側の成長速度が高く小葉形成方向を説明できる結果が得られたものの、クサノオウでは合わない結果となった。次に、SEMを用いた表皮構造の詳細な解析を行ったところ、クサノオウでは小葉形成中の発生段階において求基的な表皮組織の分化(トライコーム形成)が認められた。さらに、qRT-PCR法により小葉形成中のごく若い葉原基を用いて遺伝子発現解析を行ったところ、組織分化状態のマーカー遺伝子と考えられるCINCINNATA遺伝子の発現が、クサノオウでは葉の先端側で上昇していることが認められた一方、ハナビシソウではこの発生段階では発現上昇は認められなかった。以上の結果から、ハナビシソウでは成長速度の勾配、クサノオウでは組織分化状態の勾配がそれぞれの種で方向性をもった小葉形成を司っているのではないかという可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究のリソースが乏しい材料を使わざるを得ないテーマであるためにこれまで理解が進んでこなかった発生現象に対して、様々な工夫を凝らした実験系を構築して、成長速度の勾配や遺伝子発現解析、レーザーアブレーション技術を用いた発生の攪乱実験を進め、小葉形成の方向性決定という本来の目的に対して重要な知見を得ることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、クサノオウにおける求基的な小葉形成がCINCINNATA遺伝子の発現するタイミングによって決まっているのではないかという仮説を提案した。この可能性について検証するためには、amiRNAなどを用いてCINCINNATA遺伝子の発現を抑制し、求基的な方向性が失われるかどうかを調べることが最重要課題であると考えられる。また、ハナビシソウにおける求頂的な小葉形成が器官の成長速度勾配によって決まっているのではないかという仮説を提案しており、成長を負に制御する因子を葉の先端側で特異的に発現させた場合に求頂的な方向性が失われるかどうかを調べることもできるのではないかと考えている。また、小葉形成に先立って葉の辺縁でオーキシン応答極大点の形成パターンが形成されていることを想定しており、それは他の種では確かめられている点であるが、実際にハナビシソウとクサノオウで調べられてはいない。オーキシン応答性遺伝子であるGH3およびオーキシン応答極大点の形成を担うPIN遺伝子は既に単離済であり、その発現パターンを調べることが今後な期待される。
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