Project/Area Number |
09J06850
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
佐藤 綾 東京学芸大学, 連合学校・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 性淘汰 / 配偶者選択 / 産子調節 / 性配分 / 行動生態学 / グッピー / 繁殖戦略 |
Research Abstract |
「本研究では」配偶した雄の性的魅力に応じた雌の産子調節について、その適応的意義を卵胎生魚類グッピーを用いて明らかにすることを目的としている。そのため、グッピーの雌雄をペアにして配偶させ、「雄親の性的魅力(雄の燈の体色)」と「雌が産む一腹の子の数や性比」、「それら子の成長や生存、繁殖成功などの適応度成分」の三者の関係を検討した。グッピーでは、雌が配偶者選択で選り好んだ体色が派手な雄と配偶した場合、地味な雄と配偶した場合に比べて、産む子の数が多く、また、産む子の性比が雄に偏っていることが知られている。本研究の結果、雄の体色に対する雌の選り好みが見られない場合、配偶した雄の体色は雌が産む子の数に影響を与えないこと、その時、雄親の体色と子の適応度成分の間にはどのような関係も見られないことが明らかとなった。また、子の性比に関して、雄の体色に対する雌の選り好みが見られない場合、これまでの知見とは逆に、派手な雄と配偶した雌は性比が雌に偏った子を産んでいた。しかし、子の性比と子の適応度の関係について、性比が雌偏りの腹では娘に比べて息子の繁殖成功がより低く、性比が雄偏りの腹では息子の繁殖成功が高いことが明らかとなった。このことから、雄親の性的魅力とは関係なく、偏った性比が一腹全体での矛の繁殖成功の増加という利益を雌親にもたらしていることが示された。以上の結果は、雌の産子調節は雄の特定の形質そのものに対して行なわれているのではなく、その雄形質の魅力としての価値、すなわち雄の実質的な子の適応度への貢献に応じて行なわれている可能性を示唆している。この発見は、これまでの産子調節研究における、調査間での雄の性的形質と雌の産子調節の一貫しない結果に対する理解、あるいは複数の要因に対する複合的な雌の産子調節の理解に貢献するものと期待される。
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