高速度衝突天体物質と惑星大気間の化学反応による生命前駆物質生成に関する実験的研究
Project/Area Number |
09J06885
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒澤 耕介 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 生命起源 / 天体衝突 / シアノ化合物 / 高速度衝突実験 / 2段式軽ガス銃 / 開放系気相化学分析 / 炭素質隕石 / 空力加熱 / 高速発光分光解析 / 中性的大気 / 原始地球 |
Research Abstract |
本研究では、天体衝突によって原始無生物地球上に生命前駆物質を供給する可能性について実験的に検証することを目的としている。先行研究から原始地球環境下では、天体衝突による生命前駆物質の合成効率は低く、生体関連分子までの化学進化を起こすのは難しいと考えられている。これは端的には、隕石中には窒素がほとんど含まれていないことが原因である。本研究では衝突天体物質に含まれる炭素と原始地球に豊富に存在したと考えられる窒素が効率よく反応する過程を提唱している。直径1km以下の天体が、低角度斜め衝突を起こした場合、衝突で粉砕された天体が下流側に飛び出し、周辺大気と激しく混合する。この過程は生命前駆物質として最重要物質であるシアノ化合物を効率よく生成できる可能性があるが、複雑な過程であるため、再現実験によるデータをもとにしたモデル化を行うことが求められている。今年度は、宇宙科学研究所の2段式軽ガス銃を利用し、再現実験を行う技術開発を行い、予備的な結果を取得した。従来加速銃を用いた実験では加速ガス、ガンデブリのために生成ガスの化学分析を行うことは困難であったが,これらの化学汚染を極力抑える手法を開発し、ガス分析を行う技術を確立することに成功した。弾丸,標的ともに酸素を含まないプラスチックを用いて、窒素中で衝突を起こした。最終的に生成された気体を簡易ガス検知管で分析したところ,およそ0.1%の蒸発炭素がシアノ化合物に変換されていることがわかった.シアノ化合物は生命起源に最も重要な役割を果たしたと考えられている。今後は実際の隕石試料を標的に用い、シアノ化合物の生成効率を計測する。またパラメータ依存性を調べることで現象のモデル化を行い、実際に原始地球表層環境での天体衝突によるシアノ化合物の合成量を推定していく。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Roles of shock-induced ionization due to >10km/s impacts on evolution of silicate vaporclouds2010
Author(s)
Kurosawa, K., S.Sugita, T.Kadono, K.Shigemori, Y.Hironaka, N.Ozaki, A.Shiroshita, Y.Cho, T.Sakaiya, S.Fujioka, S.Tachibana, T.Vinci, R.Kodama, T.Matsui
-
Journal Title
Proceedings of Lunar and Planetary Science Confe rence XXXXI
Related Report
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Roles of shock-induced ionization due to >10km/s impacts on evolution of silicate vaporclouds2010
Author(s)
Kurosawa, K., S.Sugita, T.Kadono, K.Shigemori, T.Hironaka, N.Ozaki, A.Shiroshita, Y.Cho, T.Sakaiya, S.Fujioka, S.Tachibana, T.Cinci, R.Kodama, T.Matsui
Organizer
Lunar and Planetary Science Conference XXXXI
Place of Presentation
The Woodlands, Texas, U.S.A.
Year and Date
2010-03-04
Related Report
-
-
[Presentation] 宇宙速度衝突によるケイ酸塩蒸発のその場分光観測:衝撃加熱ケイ酸塩の相境界2009
Author(s)
黒澤耕介, 杉田精司, 門野敏彦, 関根康人, 弘中陽一郎, 大谷一人, 佐野孝好, 境家達弘, 藤原隆史, 寳田圭司, 城下明之, 宮西宏併, 尾崎典雅, 藤岡慎介, 重森啓介, 大野宗祐, 橘省吾
Organizer
日本地球惑星科学連合2009年大会
Place of Presentation
幕張
Year and Date
2009-05-08
Related Report
-