人間の情報認知特性に基づく自律的な学習の促進とエラー修正の研究
Project/Area Number |
09J07038
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educational technology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
行場 絵里奈 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 教授設計 / 防災教育 / 防災意識 / 情報収集方法 / 評価手法 / 認知特性 / 学習意欲要因 / 意欲と理解の関係 / 認知情報処理モデル / 知識の種別 / 教授メディア / 評価方法 / 学習促進効果 / フィードバック / 理解と反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、的確な概念知識から技能を有する教育において、学習者の自律的な学習を支援する教授モデルを構築することである。その一環として防災教育のあり方の研究に取り組んだ。 最初に、災害に対する意識の調査として、記憶に新しい東北地方太平洋沖地震発生前と発生後で、東北大学における被災地域(岩手県、宮城県、福島県)出身学生とそれ以外の地域出身学生の防災意識を調査すると同時に、災害に対する両者の情報収集とメディア活用方法について調査した。その結果、様々な防災対策を実施する学生が、被災地域出身者・被災地域以外出身者共に増加しており、メディア活用方法についてもラジオや新聞などの伝統的なメディアをはじめとする様々な情報源を活用していたことが明らかになった。 さらに、既存のインターネット防災教材「eカレッジ防災・危機管理」に含まれる51の学習項目を、知識(K)ベース、ルール(R)ベース、スキル(S)ベースの3つの認知階層で区分されたRasmussenの認知情報処理階層モデルと、Attention(注意)、Relevance(関連性)、Confidence(自信)、Satisfaction(満足)、Volition(意志)の5要因からなるKeller(2008)のARCS-Vの意欲モデルの観点から検証することを目的とした。具体的には、最初に、防災教育教材に含まれる項目を、どの認知特性を有する学習内容であるかKRS別に区分した。次に、区分した項目についてARCS-Vモデルに基づいて、東北大学の学生を対象に、学習意欲アンケートを実施することで、各学習項目がどのような種類の意欲をどの程度喚起するのか調査した。さらに、3週間後に学習意欲アンケートと同様の項目について、理解度・自信度テストと印象度評定アンケートを実施するとともに、各認知特性を有する学習内容に対する理解度と印象度、および防災教育教材コンテンツに対する意欲と理解度の関係を分析した。その結果、学習項目の種類によって喚起される意欲の種類が異なることが明らかとなった。意欲要因と理解度の相関を調べた結果、知識ベースの項目に対しては、特に自信要因に高めの相関が得られたが、ルールベースとスキルベースの項目に対しては、意欲の高さと理解度の相関は見られなかった。このことから、ルール・スキルベースの学習内容は意欲要因のみでは、必ずしも理解向上にはつながらず、習得済みの技能・規則は正しいものかの振り返りや繰り返し、正確な方向に持続的に修正していく姿勢を育成することが重要であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)