Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
新規水素吸蔵合金として近年La-Ni系超格子化合物が注目されている.この化合物は大きな水素吸蔵量を示すAB_5およびLaves相(AB_2)が単位胞スケールで積層する構造を有している.この合金系の吸蔵特性の大幅な改善には,水素吸蔵-放出に伴う原子レベルでの局所構造変化の理解が特に重要である.本研究では,Laサイトの一部を置換した(La,Y)_5Ni_<19>化合物の水素吸蔵特性評価(PCT測定)および水素吸蔵-放出に伴う構造変化を走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察を行った.初期過程において水素はLaves層部分のみで水素吸蔵が行われており,その際にLaves層部分の一部のNiが分解する不均化反応が引き起こされ安定な水素化物((Y,La)H_3)を形成することが原子分解能STEM観察により明らかとなった.したがって,水素の可逆的な吸蔵-放出はAB_5層部分のみが担っており,Laves層部分の改善が有効であることが示唆される.そこで,ドープ元素として原子半径の小さなErによる水素吸蔵特性の改善を試みた.新たな化合物として(La,Er)_5Ni_<19>をおよび(La,Sc)5Ni_<19>作製しPCT測定による評価を行ったところ,可逆的な水素吸蔵量が0.5H/Mから1.0H/M(H/M:金属原子(M)に対する水素原子の数)へと飛躍的な改善が見られた.またSTEMによる観察を通してErおよびScがLaves層部分に規則化していることが明らかとなった.このような局所領域への規則化は電子エネルギー損失分光(EELS)でも確認することができており、添加元素を選択することで水素吸蔵特性を制御できることが明らかとなった.
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