Project/Area Number |
09J07266
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
西 弘泰 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ジアリールエテン / フォトクロミズム / 金ナノ粒子 / 銀ナノ粒子 / 表面プラズモン / 電場増強効果 / RAFT重合 |
Research Abstract |
本研究では、金属ナノ粒子がプラズモン増強効果により光化学反応を促進する反応場として機能することを示し、最終的には光による制御が可能な新しい反応場を創生することを目指して、フォトクロミックジアリールエテンポリマーで覆われた金属ナノ粒子(Au-poly(DE))を合成し、その光学特性の評価を行っている。平成23年度は、金ナノ粒子のプラズモン増強効果に大きな影響を及ぼすと考えられる粒子の粒径、ナノ粒子表面からジアリールエテンまでの距離、ジアリールエテンの分子構造および照射波長の影響を実験的に明らかにすることを目的とし、粒径やポリマーの構造、ジアリールエテン分子の構造などを制御したAu-poly(DE)を合成し、様々な照射波長下における光開環反応に対するプラズモン増強効果を解析した。その結果、より大きな金ナノ粒子のより近傍において大きなプラズモン増強効果が観測された。一方、プラズモン増強効果はジアリールエテンの分子構造や光学特性には依存せず、金ナノ粒子のプラズモン共鳴バンドから離れた長波長側の光を用いた際に最も大きなプラズモン増強効果が観測された。これは金ナノ粒子のプラズモン共鳴バンドの形状から予想される傾向と異なっており、金ナノ粒子のプラズモン増強効果が特徴的な波長依存性を示すことが明らかとなった。 また、金ナノ粒子を銀ナノ粒子置き換えたAg-poly(DE)を合成する手法を確立し、得られたAg-poly(DE)を用いて銀ナノ粒子のプラズモン増強効果の解析を行った。その結果、金ナノ粒子よりも顕著なプラズモン増強効果が観測され、例えば直径約19nmの銀ナノ粒子において450nmの光を照射した際には、粒子の表面から約8nmの範囲において6倍反応速度が増大していると見なせることが明らかとなった、また、銀ナノ粒子が吸収する光の量と反応速度が比例関係にあり、金ナノ粒子とは異なり、プラズモン増強効果が単純にナノ粒子が吸収した光の量のみに依存することが示唆された。以上の成果により、金属ナノ粒子のプラズモン増強効果における新たな知見が得られた。
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