Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
組込みシステムの性能や計算精度を保証しながら消費エネルギー最適化を実現することは,非常に重要な課題である.本研究では,省消費エネルギーでありソフトウェア制御のオンチップSRAMであるスクラッチパッドメモリ(SPM)の活用に着目し,組込みシステムのプロセッサおよびメモリシステムを対象とした消費エネルギー最適化技術の確立を目指す. 平成23年度では,まず,前年度から行ってきた研究の継続で,シングルプロセッサーマルチタスク環境で適用できる,SPMの効率的かつ柔軟な活用を実現する手法を提案した.本手法は,高い実時間性が要求されるリアルタイムシステムにおいて適用でき,これらのメモリシステムの消費エネルギー最小化を実現できる. 次に,組込みリアルタイムシステムのアプリケーション開発における消費エネルギー最適化フレームワークを提案した,本フレームワークは,複数の要素技術を統合的かつ段階的に適用することで,リアルタイム性を保証しつつ,システム動作時の平均消費エネルギーを最小化する.提案した技術は,組込みリアルタイムアプリケーションの消費エネルギーの自動最適化を支援するソフトウェア・ツールチェーンとして実装した.TV会議システムのアプリケーションをケーススタディとした評価により,実装成果物の有用性と実用性を立証した. さらに,SPMの配置内容を実行時に管理できる機構を組み込んだリアルタイムOSを設計および実装した.本手法は,設計時におけるSPMの配置決定情報と実行時におけるタスクのSPM活用状況を基にして,小メモリ量かつ低性能オーバヘッドでSPMの実行時再配置を実行できる.評価実験により,開発したリアルタイムOSは,組込みシステムの消費エネルギー削減に寄与することを確認した.
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