Project/Area Number |
09J07625
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 周平 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 精子変態 / クロマチン / ショウジョウバエ / 精子形成 / プロタミン / エピジェネティクス |
Research Abstract |
前年までの研究により、作成したcg5017変異体ショウジョウバエが雄の不妊を示し、精子変態において核の構造異常を示したことと、LC-MSによりCG5017がプロタミンと結合することが明らかとなった。以下に今年度の成果を示す。CG5017はヒストンシャペロンNap1と相同性の高い因子であり、in vitroでCG5017がプロタミンに対するシャペロン活性を持つかどうかを調べた。リコンビナントProtamine BはDNAを凝集させたが、CG5017を加えることで、凝集がブロックされた。この作用はNap1でも認められた。ところが、CG5017の局在は、主に細胞質であり、核内ではなかった。さらにProtamine Bは野生型では核内だけでなく細胞質にも局在が認められたが、cg5017変異体では細胞質局在が認められなかった。CG5017の作用点はプロタミンなどの塩基性タンパクを細胞質に保つ作用ではないかと考えた。核内におけるヒストン-プロタミン置換を調べたところ、cg5017変異体ではプロタミンがゲノムに取り込まれるものの、ヒストン、transition proteinが抜けずに残る表現型が認められた。最後にNap1は精巣の未分化な幹細胞から発現しており、分化が進むにつれ発現量が減り、精母細胞のステージには完全に消失していた。一方CG5017はNap1と異なり、入れ替わるように発現開始していた。そこで、cg5017のプロモーターの作用下にnap1を発現するショウジョウバエを作成したが、cg5017変異体の表現型をレスキューすることができなかった。つまり精子変態におけるプロタミン制御には、CG5017が必要十分であることが示された。以上の結果から、CG5017がプロタミンシャペロンとしてプロタミンを細胞質で制御することで、精子変態に必須であるクロマチン構造変換を支えていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目的である精子クロマチンリモデリングに関わる新規因子を同定できたため。また、遺伝学、生化学の組み合わせにより、生物学で謎であった精子の核凝集メカニズムの一端を明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は現在投稿中であり、その過程で必要な実験を追加していく予定である。
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