マウスの鋤鼻器官の新規リガンド探索とその生理機能の解析
Project/Area Number |
09J07682
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 峻之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | マウス / 鋤鼻器官 / 鋤鼻受容体 |
Research Abstract |
哺乳類の嗅覚器のひとつである鋤鼻はフェロモンなど動物の社会行動や本能行動にかかわる分子の受容器である。マウスにおいて、鋤鼻器官の切除実験や受容にかかわる分子を欠損したマウスを用いた実験により、性行動や攻撃行動などの社会行動に異常が生じることが知られている。しかしながら実際にどのような分子が鋤鼻器官で受容されているかについては知見が少ない。本研究においてはマウスが鋤鼻器官で受容している分子を探索するため、マウス体液に含まれる分子の分離、分析を行った。分子量に基づく分画や、高速液体クロマトグラフィーによる精製の結果、単一のタンパク質を含む画分が鋤鼻刺激活性を持つことが明らかになった。組換えタンパク質を作成し、生体から分離した鋤鼻器官に投与したところ、非常に低濃度で応答が得られた。また、自由行動下のマウスをこのタンパク質にさらしたところ、鋤鼻神経の活性化が観察された。鋤鼻神経で受容された情報は脳の一次中枢の限局された部位を活性化することが明らかになった。さらにこのタンパク質で刺激されたマウスの視床下部において、神経の活性化を示唆する結果を得た。視床下部は本能や自律機能をつかさどる脳部位であることから、本能行動に着目した行動実験を現在行っている。一方で、このタンパク質には多数の類縁体があり、これらにはマウスの鋤鼻神経で受容されるものと、されないものがあることが明らかになった。ここに着目したところ、アミノ酸配列の比較から、鋤鼻神経で受容されるのに重要な構造が予測された。鋤鼻神経におけるリガンドと受容体の相互作用についてはこれまでに知見がなく、今後、本研究を端緒として鋤鼻神経における化学受容の機構について詳細な解析が行えると考えている
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)