時空間分解ラマン分光法による出芽酵母単一生細胞の代謝活性計測
Project/Area Number |
09J07892
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野木 智加朗 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ラマン散乱 / ラマン顕微鏡 / 分子イメージング / 共鳴ラマン効果 / シトクロム / 酵母 / ラマン分光 / 共焦点顕微鏡 / 時空間分解 / 生細胞 / 非侵襲 / In vivo / 顕微ラマン分光法 / 共鳴ラマン分光法 / 時空間分解測定 / 単一生細胞 / ミトコンドリア / 電子伝達系 / シトクロムC |
Research Abstract |
Ar-Krレーザーの導入により、可視領域(450-650nm)の離散的な励起波長を選択可能な広帯域励起波長可変ラマン顕微鏡の開発した。使用可能な励起波長は457.9,488,514.5,532,568.1,632.8,647.1nmである。当該装置は生細胞の分子イメージングをR標として開発されており、可視領域での励起には試料へのダメージが予想されたが、集光系の最適化により低い出力(0.4mW,457.9nm)での励起を可能とし、試料へのダメージを回避した。また、同じサンプルの同じ空間点の共鳴ラマン効果について議論可能なデータの測定が可能となった。 開発された広帯域励起波長可変ラマン顕微鏡を生細胞に適用し、共鳴ラマン測定を行った。457.9nm励起測定では脂質、タンパク質の非共鳴ラマンバンドに加えてシトクロムcオキシダーゼの共鳴ラマンスペクトルを検出した。当該ラマンバンドの強度を定量的に測定することで、細胞内の酸化還元状態を評価できる可能性が示唆された。また532nm励起測定ではシトクロムc、bを検出した。その他の励起波長においてもシトクロム種由来と思われるラマンバンドの存在が確認できた。 457.9,532,632.8nmの3波長で同一の単一酵母細胞のラマンイメージングを行った。これにより、従来の脂質やタンパク質のみのラマンイメージに加え、シトクロム種といった共鳴ラマン効果で検出可能な微量分子種のラマンイメージを取得することが可能となった。この手法の開発により、生細胞内のより多くの分子種の空間分布を得ることにより、細胞内の構造から機能に関する新しい知見を得ることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画にあった多波長励起ラマン顕微装置の開発と、生細胞への応用により、細胞内の共鳴ラマン効果を検証することに成功した。加えて、457.9nm励起により、細胞内のシトクロムオキシダーゼの検出に成功し、予想外の大きな成果を得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の共鳴ラマン効果の検証により、生細胞中のラマン効果の測定が可能であることが判明した。それと同時に、より多くの情報を得るためには、1.より短波長励起による共鳴ラマン効果の検証、2.より励起波長分解能の高いラマン励起プロフィールの測定が必要である。そのため、より広帯域かつ、連続的に波長を変えることのできる励起光源による顕微ラマン分光装置の開発が必要である。 また、短波長励起における生細胞へのダメージは大きい。現在はある程度回避されているが、問題として残っているため、より短時間低励起出力で高い信号対雑音比を実現する集光系の開発が必要であると考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)