神経系に病原性をもつトリレトロウイルスの発癌機序解明
Project/Area Number |
09J08297
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越智 章仁 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | トリのグリオーマ / 神経腫瘍 / レトロウイルス / 内在性ウイルス / ニワトリ / 神経病原性 / 転写因子 / 組織特異性 |
Research Abstract |
本課題の目的は神経病原性トリ白血病ウイルス(ALV-A)の発癌機序を明らかにする事である。そこで,神経病原性ALVのゲノム多様性と出現経緯を検索した。今年度得られた成績は以下の通りである。1.ドイツで系統維持されている鶏8内種,計42羽をFGV特異的nested PCRで検索したところ37羽が陽性を示した。しかし,これらnested PCR陽性鶏からウイルスは分離されなかった。2.熊本地方で系統維持されている日本鶏にトリの神経膠腫瘍関連病変が認められた。これら神経病変罹患鶏あるいはnested PCR陽性鶏から分離された9株の乱V-Aのゲノム解析を行った。9株中5株(Km_063,Km_077,Km_5621,Km_5624,Km_5625)はFGV特異配列を持つFGV変異株であったが,その他の4株(Km_5666,Km_5843,Km_5845,Km_5846)はFGV特異配列を欠いていた。3.国内の実験施設で系統維持されている実験用鶏のFGV感染率を検索した。検索した鶏17系統計49羽中24羽がnested PCRに陽性を示したがウイルスは分離されなかった。4.FGV特異的nested PCRに陽性かつFGVが分離されなかった国内外の鶏のゲノムを検索した。また,FGV特異配列を欠くALV3株(Km_5843,Km_5845,Km_5846)が分離された鶏のゲノムも検索した。これらの鶏のゲノムから増幅されたnested PCR産物はFGV特異配列と91.2~98.5%の相同性を示した。NCBI chicken genome BLASTを用いて相同性検索を行ったところ,鶏ゲノムにはFGV特異配列に類似する配列は存在しなかった。ことから,FGV特異配列は内在性トリレトロウイルスの一部であると推察された。さらに,FGV特異配列近傍の塩基配列を明らかにするため,genome walking法で検索した。その結果,ALV ゲノム env SU末端~LTR R領域に相同する約1.2kbが増幅され,FGVの対応領域と98.9%の相同性を示した。以上の成績からFGVは国内の日本鶏の中で出現し,この出現にはFGV特異配列を持つ内在性トリレトロウイルスが関与していると推察された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)