現代民主主義における「闘技」理論の可能性―アーレントとムフを中心に
Project/Area Number |
09J08626
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 圭 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | Democracy / Agonism / Deliberation / Hannah Arendt / Chantal Mouffe / William Connolly / 現代民主主義理論 / シャンタル・ムフ / 闘技民主主義 / ハンナ・アーレント / 敵対性 |
Research Abstract |
本年度は英国University of Essex, Department of GovernmentにてAletta J. Norval博士のもとで研究課題を遂行した。まずは研究課題である闘技的民主主義の諸相を捉えるべく、一般に「闘技理論」としてカテゴライズされる政治理論-ハンナ・アーレント、シャンタル・ムフ、ウィリアム・コノリー-のマッピングを行った。これらを比較検討することにより、それぞれのあいだの差異、つまりは闘技理論の様々な可能性を吟味出来たと同時に、これらのあいだに見出される共通点を闘技理論の特徴として抽出することが可能となった。 続いて闘技理論を批判する熟議民主主義の議論を検討した。熟議民主主義は今日、単に対立のモメントを拒絶しているわけではなく、むしろ対立をどのように熟議のうちに取り込むかに関心をもっていることに着目し、それらの議論を二つのタイプに分けることを試みた。すなわち第一に、熟議のうちにも対立の契機が存在することを主張するもの、そして第二には如何なる闘技も一定の合意に基づいたフレームワーク、ないしは熟議の結果としてのルールを前提とせざるをえない、というものである。これらの議論を検討することで、通常熟議/闘技として認知されている現代民主主義理論の二項対立の有効性を疑問に付し、この二分法を超えるパースペクティブの必要性を提示した。この成果は、Kei Yamamoto, "Beyond the Dichotomy of Agonism and Deliberation",(Multiculturalism, Nagoya University, Graduate School of Languages an and Cultures, No. 11, pp. 159-183, 2011)として発表された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)