局部銀河群における矮小銀河の恒星種族および星形成史の包括的解明
Project/Area Number |
09J08816
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan (2010) The University of Tokyo (2009) |
Principal Investigator |
岡本 桜子 国立天文台, 光赤外研究部, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 天文学 / 銀河 / 矮小銀河 / 近傍銀河 / 恒星種族 / 可視光撮像 |
Research Abstract |
最終年度にあたる平成22年度においては、本研究の主目的である「銀河系周辺の様々な性質の矮小銀河の広視野撮像観測から、それぞれの銀河の恒星種族の特徴を明らかにし、その特徴を持つに至った主な要因を考察する」ことを達成した。 初年度に行った銀河系近傍の8つの矮小銀河と校正用データの解析から、それぞれの銀河の恒星種族(年齢)と、その空間分布を明らかにし、雑誌に論文として投稿した。すばる望遠鏡の主焦点カメラを用いて取得した、銀河系近傍の非常に暗い矮小銀河の、明るい赤色巨星から暗い主系列星まで銀河内の個々の恒星の色と等級を、恒星進化の理論モデル、および銀河系球状星団と比較して、それぞれの銀河までの距離、平均年齢と空間構造を明らかにした。その結果、比較的明るい倭小銀河では複数の世代の恒星種族が存在して、平均年齢は126億年であること、一方それよりも暗い銀河は宇宙年齢程度の平均年齢(135億年)だった。複数種族を持つ銀河では、若い/金属量の多い種族が銀河の中心に集中し、古い/金属量の低い種族の方が空間的に広がって分布していることも確認した。この性質の違いは、それぞれの銀河の祖先が異なった暗黒物質ポテンシャルの中で成長したことを示唆する。また調べた銀河のうち最も暗く、銀河系から比較的遠い二つの矮小銀河では、潮汐半径の外側で星分布の密度超過が見られた。この密度超過は矮小銀河が銀河系の強い潮汐力を受けていることを示す。星密度分布を今後、様々なモデルと比較することで、矮小銀河内の中心の暗黒物質分布がどうなっているか、あるいは暗黒物質の性質自体に制限を付けられる可能性がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)