近代における土地所有実態の変化と都市・建築との関係
Project/Area Number |
09J08857
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 葉子 (2010) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
三倉 葉子 (2009) The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 近代 / 土地所有 / 京都 / 東京 |
Research Abstract |
本研究は、近代おもに明治から大正期を中心とした都市部における土地所有に関する研究である。近代土地所有に関しては法制史の分野から多くの研究が行われており、建築史の分野では大地主による土地経営なども研究対象とされてきた。これに対し、本研究では大地主とは呼べない規模の土地所有者も含め、土地経営や土地売買の過程を明らかにし、さらにはそれらを規定する社会背景についても検討することを目的としている。 本年度は前年度に行った京都に関する研究について一定の成果を得られたとともに、それを基軸とした比較研究として、東京についてもいくつかの展望を見出すことができた。 まず、前年度に引き続き、京都の町を事例とした分析を行った。京都では近代に至っても町の式目によって土地売買を町が一定度コントロールしていた。このような式目の作成過程については近世も含め、詳らかにされて来なかった。そこで、町式目の草案とそれに添えられた手紙を史料として、式目作成の中心となった家持層の分析を行った。この成果は平成22年度建築史学会において発表報告を行った。 つぎに、明治期の東京を事例とした分析も行った。具体的には、東京市が行った市区改正の一環である道路整備事業の執行過程と買収対象地を明らかにしていった。ここでは、土地買収に対する統一的な方策が存在しないまま、その都度決定されていた。これは、一気に買収交渉を行った京都市の事例とは大きく異なる点であり、このことがその後の土地所有にどのような影響を及ぼしたかについては今後さらなる検討を要する。 さらに、ごく一部ではあるが東京市内でも近代の町式目の存在が確認できた。この史料を見る限り、東京においても町が土地売買に関する条文を作成しており、完全な自由売買を認めていなかったことになる。より詳細な土地所有の状況や町の構成、式目作成の主体など多くの検討すべき事項は存在するが、市区改正以前の東京市の状況を知る上で極めて貴重な事例である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)