Project/Area Number |
09J08867
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 恒太 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 性染色体 / B染色体 / 進化 / シクリッド / 細胞遺伝学 |
Research Abstract |
当該研究の目的は、ヴィクトリア湖産シクリッドにおいて発見された新しい性染色体についてその進化の分子機構を解析することである。前年度において、その染色体はB染色体という特殊な染色体であることがわかった。B染色体は昆虫において性染色体の起源だといわれており、性染色体とB染色体の双方の性質をもった染色体の発見は脊椎動物の性染色体進化の研究において大きな重要性をもっている。当該年度において、この染色体の配列解析を行い、B染色体でははじめてとなる100kb以上の配列の解析に成功した。B染色体はこれまでほとんど遺伝子を含まないと考えられてきたが、今回の配列解析により、このB染色体は形態形成に関わる遺伝子を含む複数の遺伝子を含み、かつそれらは非常に保存されていることがわかった。さらに、この複数の遺伝子はそれぞれがB染色体で重複していることがわかり、B染色体は予想以上にたくさんの遺伝子で占められていることが明らかとなった。性決定遺伝子の候補遺伝子は現在見つかっておらず、さらなる配列の解析が必要である。現時点では、その機構の全貌が明らかになるところまではいかなかったが、本研究により、新しい性染色体ができる一つのメカニズムとして、遺伝子を大量に含むB染色体が性決定の機能を獲得するという全く新しい知見が明らかとなった。この発見は、動物、植物を含む多くの生物種における性染色体の出現の進化機構を明らかにする上で非常に重要であり、今後の性決定の研究に大きな飛躍を与えるものである。
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