Project/Area Number |
09J09146
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物分子生物・生理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広瀬 侑 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | フィトクロム / シアノバクテリア / 光受容体 / 光合成 / シアノバクテリオクロム / フィコビリソーム / テトラピロール |
Research Abstract |
シアノバクテリアは酸素発生型の光合成を行う原核生物であり光化学系複合体の集光装置としてフィコビリソームを持つ。一部の種のフィコビリソームでは、赤色光を吸収するタンパク質であるフィコシアニンと、緑色光を吸収するタンパク質であるフィコエリスリンの組成が緑・赤色光に応容して調節される。この現象は「補色順化」と呼ばれ、その存在は100年以上も前から認知されていた。近年の解析により、この応答は緑色光吸収型と赤色光吸収型の間を可逆的に光変換するフィトクロム型光受容体(シアノバクテリオクロム)によって制御されることが明らかとなった。申請者らは、この光受容体のテトラピロールであるフィコシアノビリン(PCB)色素が、緑色光吸収型では脱プロトン化され、赤色光吸収型ではプロトン化されていることを発見した。また、光変換に伴うプロトンの脱着には、PCBのC15-ZからC15-Eへの異性化と、色素近傍のアミノ酸残基の両方が必要であった。これまでの知見を合わせて考えると、補色順化の光受容体の吸収型の変換は、PCBのC15-ZからC15-Eへの異性化に伴う、色素近傍の荷電性アミノ酸を介したプロトンの脱着によって引き起こされる事が強く示唆された。さらに、アミノ酸置換変異体の解析により、プロトン化と脱プロトン化に必須なアミノ酸の同定に成功した。このような光変換機構は、既知の赤色光・遠赤色光受容体であるフィトクロムでは、テトラピロール分子が両吸収型でプロトン化されている点とは大きく異なっている。これらの結果は、緑・赤色光変換型のシアノバクテリオクロムの光変換機構の解明における、非常に重要な知見である。
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