Project/Area Number |
09J09214
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 隆太 東京大学, 地震研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 伊豆衝突帯 / 地殻構造 / 地震活動 / 岩石モデル |
Research Abstract |
伊豆衝突帯における伊豆小笠原弧の衝突沈み込み構造を地震波速度構造の面から解明し、その地質学的・岩石学的な解釈を行った。今年度は主に衝突帯西部における伊豆小笠原弧の多重衝突過程に焦点を当て、人工地震データと自然地震データを統合した解析を実行し、その詳細を明らかにした。特に重要な成果として、伊豆小笠原弧起源の御坂・丹沢・伊豆の地殻ブロックはそれぞれ異なる衝突様式を持つことを発見した。すなわち、御坂は本州の上に乗り上げ、丹沢は横に付加し、伊豆は丹沢の下へ沈み込む形態をとり、特にその下部地殻部分が現在の沈み込むプレート境界を形成している。また、御坂と丹沢の地殻下部は衝突の過程で剥離し、本州の地殻の底に付加している。この結果と過去のプレート運動速度に基づいた地殻量との整合性を確認し、新しい衝突モデルを提唱した。このモデルは、地殻形成過程というテクトニクス研究への貢献として極めて重要なだけでなく、地殻の変形過程を力学的に解明するダイナミクス研究にとっても貴重な証拠となる。これらの衝突構造と微小地震の震源分布を比較し、特に沈み込む伊豆ブロックの先端部に地震活動が集中することを発見した。この新事実は、衝突・沈み込み過程で作り出された応力場が、衝突域での微小地震の発生を支配していることを示唆する。さらに、衝突域における沈み込み構造に関しては、スラブ上面と上盤側の地震波速度の差が非常に小さいことを発見した。この結果は、西南日本で見られるような脱水反応が衝突域ではほとんど起こっていないことを示唆する。この結果は地震発生域の地震波速度とb値から示唆される流体に乏しい物理状態と整合的である。また衝突域では深部低周波微動が発生していないことから、本研究はプレート境界での地震すべりに流体が密接に関与することを示している。
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