Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
これまでに,研究代表者は亜鉛を用いた分子内環化を鍵反応として,酸素原子を含む縮環II電子共役系化合物である「ベンゾジフラン」を母核とする多橡な誘導体の新しい合成法を開発するとともに,ベンゾジフラン誘導体の非晶質薄膜が高い移動度を持つ新半導体材料となることを発見・報告している。当該年度においては,両極性を有するベンゾジフランに対して構造変換により高いトリプレット準位を有する化合物を設計し,リン光ホスト材料へと応用することでフルカラーリン光発光有機EL素子を実現した.芳香環の縮環を従来のアセン型からフェナセン型へ構造変換することで高いトリプレット準位を獲得することができた.また,フラン環の酸素原子は非常に高い電気陰性度を有しているために,よりπ電子の非局在化が抑制され,炭素系骨格やチオフェン系骨格と比べて励起エネルギー準位が高いことを明らかとした. また.研究代表者はこれまでに得られた一群の合成したフラン縮環誘導体の単結晶X線構造解析を行ったところ,母核同士がπ-πスタッキングしており分子間距離が小さく非常に密なパッキング構造をしていることを明らかとした.そこで,含フラン縮環化合物を単結晶有機トランジスタにも応用展開を行った.興味深いことに,現時点で最高正孔移動度は1cm2/Vsを実現し,含フラン化合物が真に優れた電荷輸送能を有することを明らかとするとともに,共役系の拡張をはかることで,電荷の注入効串のよい材料群を新規に開発した.
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