主鎖骨格にオキサゾール環を有するペプチドの翻訳合成と生理活性ペプチドの探索
Project/Area Number |
09J09272
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥飼 浩平 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(PD) (20456990)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | リボザイム / 翻訳合成 / RNA / 天然物化学 / ペプチド / 無細胞翻訳系 / ディスプレイ / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
オキサゾール環を主鎖骨格に有する特殊ペプチドを,酵素を用いず翻訳合成する技術を確立するため環化前駆体の合成に着手した。オキサゾール前駆体としてアミノ酸のβ炭素原子上にジチオアセタールを有する化合物を設定し合成を試みたが満足のゆく収率で前駆体を得ることが出来なかった。そこで別の特殊主鎖骨格を有するペプチドライブラリーの構築を目指すことにした。放線菌の生産する天然物アンホテリシンB(AmB)は,真菌の膜に作用するため,耐性菌が出現しにくい優れた抗真菌剤である。発見から50年以上が経過した現在でも臨床薬として使用されているが,重篤な腎毒性を有するなど解決すべき問題点も抱えている。AmBは分子の片側にポリエン鎖,もう片側に多数のヒドロキシ基を有するため両親媒性を示すが,本研究者はこの分子が持つ物理化学的性質に興味を持ち,膜作動性もしくは膜透過性を有する両親媒性ペプチド薬剤の開発を目指すことにした。所属研究室で開発した万能アミノアシル化リボザイム(フレキシザイム)を用いてtRNAにシステインのファルネシル誘導体(ファルネシル末端にクロロアセチル基を有する)をチャージした。得られたアミノアシルtRNAを大腸菌再構築無細胞翻訳系(wPUREシステム)に加えて翻訳を行ったところ,翻訳合成後,鎖状ペプチドのクロロアセチル基と下流のシステイン残基間で自発的な環化が進行し,主鎖骨格に疎水性のファルネシル基を有する新規環状ペプチドを与えた。本結果はライブラリー構築へと応用可能な主鎖骨格改変型ペプチド,さらには両親媒性ペプチドの合成に成功した数少ない例であり,今後上述のペプチド合成技術をディスプレイ法等と組み合わせることで天然物に勝る新規生理活性ペプチド(例えば腎毒性を軽減した擬AmB)や,ペプチド創薬上最大の問題点である膜透過性の低さを克服したペプチド性薬剤探索への展開が期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)