鉛直混合・北太平洋中層水に伴う栄養塩循環に関する研究
Project/Area Number |
09J09478
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 鉛直混合 / 北太平洋中層水 / 栄養塩 |
Research Abstract |
研究課題に沿って、乱流鉛直混合により生じる硝酸塩の鉛直フラックス(以下硝酸塩フラックス)の西部北太平洋の空間分布の定量評価を軸として研究を行った。栄養塩の中でも硝酸塩に注目したのは、海洋生態系を支える植物プランクトンにとって一般的に増殖の制限要因となるためである。その狙いは、北太平洋中層水からより浅い深度への硝酸塩供給が、南北方向のどの海域で生じているのかを定量的に明らかにすることである。北太平洋亜寒帯域は約二千年の時間スケールを持つ海洋熱塩大循環の終端であり、栄養塩に富んだ深層水が湧昇する海域である。深層水に含まれる栄養塩は、もともとは表層から深層へと沈降した有機物が分解されることによって蓄積されるものであり、この現象は普遍的なものである。従って亜寒帯で湧昇した栄養塩が亜熱帯域へと水平的に再輸送されなければ、亜熱帯域表層の栄養塩は最終的には枯渇してしまうと考えられる。北太平洋中層水は西部北太平洋亜寒帯や隣接するオホーツク海にその起源を持ち、亜熱帯中層へと広がっていくことから、栄養塩を水平的に低緯度側に輸送する重要なリターンパスであることが示唆されている。しかし、これまで乱流強度と硝酸塩分布を同時的に観測した観測は例がなく、深層からの栄養塩が北太平洋中層水を介してどこで浅い深度へもたらされているかについて海盆規模の知見は皆無であった。本研究により、中層深度の硝酸塩フラックスは亜熱帯循環内部では小さかったが、北太平洋中層水の形成域である黒潮続流周辺において極めて大きな値が存在していたことが明らかとなった。これは北太平洋中層水から浅い深度への栄養塩供給が黒潮続流周辺で生じている事を示唆する。本研究の結果は海洋物理・化学的に貴重な知見を与えるだけでなく、海盆規模の生物活動、物質循環といった地球生物化学分野に対しても極めて重要な貢献をもたらすものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Presentation] 黒潮域生態系の3次元輸送・拡散過程(I)2010
Author(s)
小松幸生, 安田一郎, 伊藤幸彦, 池谷透, 日高清隆, 八木雅宏, 野々村卓美, 長船哲史, 西川悠, 金子仁, 他
Organizer
日本海洋学会春季大会
Place of Presentation
東京海洋大(品川,東京)
Year and Date
2010-03-28
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