協奏機能分子触媒による高効率炭素-炭素、炭素-窒素、炭素-酸素結合形成反応の開発
Project/Area Number |
09J09710
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 康晴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 均一系触媒 / イリジウム / ルテニウム / 不斉四級炭素構築 / 協奏機能 / 計算化学 / 不斉合成 |
Research Abstract |
協奏機能を有するキラルCp*Irアミド錯体およびアレーンRuアミン錯体を触媒とし、基質の複数の反応点を同時かつ精緻に制御することで、効率的な不斉炭素-炭素および炭素-ヘテロ原子結合形成反応の開発を行った。これまで、シアノ酢酸エステルとアゾジカルボン酸エステルとの不斉炭素-窒素結合形成反応が、キラルIr触媒を用いたとき高エナンチオ選択的に進行することを報告してきた。この反応は、基質同士のみで進行するラセミ反応の混在により、選択性の低下が観察された。酸性度の低いシアノ酢酸アミドを供与体に用いることでラセミ反応を抑制し、IrのみならずRu触媒を用いた場合でも、高い不斉収率で目的付加生成物が得られることを明らかにした。一方、シアノ酢酸エステルとアセチレンジエステル類の反応はラセミ反応が進行しないため、キラルIrおよびRuアミド触媒いずれも最高95%eeで、高エナンチオ、高ジアステレオ選択的に目的物が得られる。 アミド錯体とシアノ酢酸エステルとの反応では、ニトリル窒素で配位したツヴィッターイオン型のアミン錯体が得られるが、このアミン錯体は、M-NC軸の回転により、複数の異性体が平衡状態で存在する。生成物の絶対配置と詳細な計算化学的な解析の結果、アゾジカルボン酸エステルを受容体とした反応とアセチレンジエステルを受容体とした反応では、触媒活性種となるアミン錯体の構造が異なり、前者が分子内水素結合を持たないアミン錯体、後者が分子内水素結合を持つアミン錯体であることが明らかになった。さらに、触媒反応の各ステップは、アミンプロトンにより基質の配向、反応活性が制御され、高い選択性の発現に繋がっていることがわかった。 さらなる不斉炭素-炭素結合形成反応として、受容体にニトロスチレンを用いた反応の検討を行った結果、最高72%eeで目的物が得られた。より反応条件を改良することで、有効な炭素骨格形成法になることが大きく期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)