Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成23年度は,研究課題として提案する導電性ナノファイバーの有機量子デバイスへの展開の重要な検討課題として,エレクトロスピニング法で作製した共役系高分子ナノファイバーの物性評価に関する研究を行った.共役系高分子ナノファイバーは極小の高性能有機光電子デバイス基材として注目を集めている.これは,ナノファイバーという極めて微小な空間に共役系高分子という一次元材料を閉じ込めることにより,共役系高分子鎖の高度配向が期待されるからである.しかし,これまでのナノファイバー中における共役系高分子鎖の配向評価では,多数のナノファイバーからなるナノファイバー束が測定対象となっており,ファイバー間の配向性が評価結果に大きく影響することから正確な共役系高分子鎖の配向評価が極めて困難であった.そこで,我々は共役系高分子ナノファイバー1本を評価対象とし,共役系高分子鎖の配向評価を行った.この結果,ナノファイバー中で共役系高分子鎖が高度に一軸配向していることが明らかになった.さらに機械的延伸により配向性が向上することが分かった.本成果は,共役系高分子ナノファイバーの高性能電子デバイス基材としての将来性を十分に示す結果である.続いて,発光スペクトルを測定することにより内在する共役系高分子鎖の電子状態を評価した.我々は精密に本数制御したナノファイバーの発光スペクトルを測定し,ファイバー間での発光の自己吸収と散乱が発光スペクトルに支配的な影響を及ぼすことを示し,ファイバー1本の発光スペクトルの評価が必須であることを明らかにした.そこで,共役系高分子ナノファイバー1本の発光スペクトルを評価したところ,延伸に伴い共役系高分子鎖の電子状態が均一化することが明らかになった.本成果は,機械的延伸が共役系高分子ナノファイバーの光電子デバイス基材としての性能向上に有効であることを示している.
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