植物における側根から不定シュートへの置換の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
09J09914
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
厚井 聡 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 根 / 不定シュート / 形態 / オーキシン / オトギリソウ科 / カワゴケソウ科 / 発生 / 形態形成 / シュート / 分裂組織 |
Research Abstract |
植物の根は普通側根を形成するが、分類群によっては根から不定シュートを形成し、クローン繁殖や環境に適応した形態を作り出す。従って、根からの不定シュート形成は植物の重要な形態形成の一つである。本研究の目的は、「根からの不定シュート形成」に関し、自然条件下で根からシュート形成を行う種を用い、その機構を解明することである。 セイヨウオトギリ(オトギリソウ科)は、実生の上胚軸を切除することで根からの不定シュート形成が誘導される。地上部を切除した後、切口にオーキシンを含ませた寒天を与えたところ、オーキシンを含まない寒天を与えた時に比べ、不定シュート形成個体の割合が減少した。このことから、地上部を除去したことにより地下部へのオーキシンの供給が妨げられたことが不定シュート形成を誘導している可能性が示唆された。 渓流沿い植物カワゴケソウ科のほとんどの種は、幼根を欠き、胚軸から生じる不定根が不定シュートを形成する。カワゴケソウ科のボディプランの起源を探るために、姉妹群のオトギリソウ科の実生形態を観察した。セイヨウオトギリの成熟胚は幼芽と幼根を持ち、胚軸の内鞘組織から不定根を形成した。根は地中を葡匐し不定シュート形成を行った。これらの形態形成がカワゴケソウ科の基部系統群のテルニオプシス属と類似していることから、カワゴケソウ科は陸生祖先種の段階で「胚軸からの不定根形成」と「根からの不定シュート形成」という形質を備えていたことが示唆された。一方、カワゴケソウ科の不定シュートは、根端分裂組織内で発生する点でオトギリソウ科と異なり、今後両者の発生機構を詳細に比較する必要がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)