Project/Area Number |
09J10105
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
緒方 裕子 熊本県立大学, 環境共生学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 黄砂粒子 / 個別粒子分析 / SEM-EDX / 鉄 / 水透析 / 海水透析 |
Research Abstract |
黄砂粒子に含まれる鉄成分の海水への溶解性について検討を行った。これまでの研究により、水透析法によって黄砂粒子中のFeが溶解する粒子の存在が確認された。そこで、実際に海水へ沈着した場合の溶解性を調べるために、人工海水を用いて個別粒子におけるFeの溶解性を調べた。純水への溶解性と比較するため、同一黄砂イベント時に採取した黄砂粒子を用いて、海水透析、水透析における溶解性を比較した。走査電子顕微鏡とEDX(エネルギー分散型X線)分析器を用いて個別粒子分析を行い、海水透析法と水透析法を用いて溶解性成分を除去し、透析前後の相対重量比を比較した。その結果、海水、純水の両方において、透析前後でFeの溶解性はほとんど確認されなかった。水透析においてFeの溶解性が確認された粒子と比較した結果、透析前の黄砂粒子の組成が異なっていた。これらの結果から、黄砂粒子に含まれるFeの溶解性について、黄砂イベントごとに異なっている事が示された。Fe溶解性の変化は、(1)長距離輸送過程における硫黄化合物質との混合、(2)黄砂粒子の鉱物組成、(3)黄砂粒子の粒径、(4)黄砂粒子の濃度、などにより異なると考えられる。また、Ca,Mgの溶解性が海水と純水で異なっていた。特にCaは水にほとんど溶解したが、海水には溶解しないものが見られた。海水透析後に含まれていたCaは非水溶性であったことから、これらの相違は海水透析による変化であるといえる。従って、海水透析により黄砂粒子中のCa及びMgにおいて、溶解性が変化することが示唆された。Feについては海水及び純粋の両方でほとんど溶解しなかったことから、今後さらに様々なケースで採取された粒子の溶解性を調べる必要がある。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)