Project/Area Number |
09J10165
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
岡本 大 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | シリコンカーバイド / MOS界面 / MOSFET / チャネル移動度 / 界面準位 / 酸化膜トラップ |
Research Abstract |
シリコンカーバイド(SiC)を用いた低損失電力変換素子は、二酸化炭素25%削減を達成し、低炭素社会を目指していくための必須技術である。本研究では、大電力を高速かつ高効率で変換・制御するSiCパワーエレクトロニクスの実現に向けての最大の課題である、SiO_2酸化膜とSiCとの界面に存在する高密度の界面欠陥を詳細に解析し、良質な界面構造を実現することを目的としている。 平成22年度においては、これまで問題となっていた、SiO_2/SiC構造における界面準位密度を低減させる全く新しい手法として、POCl_3アニール法を提案し、界面準位が大幅に低減できることが明らかになった。そこで、この手法を用いてSiC MOSFETを作製したところ、チャネル移動度を89cm^2/Vsまで向上することができた。これまでの標準的な値の3倍である。 このように、高いチャネル移動度を得ることができたため、引き続き、そのメカニズムについて調べる研究を行った。まず、熱刺激電流測定などの低温での電気測定を用いて、界面近傍の酸化膜トラップ(NIT)の存在について調べた。その結果、POCl_3アニールを行うことによって、NITの密度が大幅に低減できていることが明らかになった。物理的なメカニズムを明らかにするため、X線光電子分光法による解析を行ったところ、PがSiO_2中に導入されることにより、酸化膜ネットワークの打開が生じ、構造緩和が起こっていることが示唆された。これにより、低い界面準位密度と高いチャネル移動度が実現できたと考えられる。
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