Project/Area Number |
09J10239
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 舞 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | Forensic science / 犯罪捜査 / 司法 / 科学技術人類学 / 科学社会学 / 科学と法 / ラボラトリー研究 / ニュージーランド / DNA型鑑定 / 法科学 / ラボラトリー・スタディーズ / 人類学 / 科学捜査 / 文化人類学 / 科学技術社会論 / ニュージーランド:オーストラリア |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の調査に引き続き、ニュージーランドの法科学研究所で現場での長期調査を行った。調査対象は、DNA型鑑定を行っているラボ、ガラス、繊維などの微細物および銃器、工具痕などの分析を行っているラボ、犯罪現場で証拠資料の採取を行ったり、警察と交渉し研究所でどのような分析を行うかを決めたり、犯罪現場に残された靴跡などの分析を行ったりするラボの3つであり、調査研究を通して以下のことが明らかとなった。 まず、法科学的実践の特徴として、異なるラボでは異なる証拠資料の分析が行われており、それぞれ独自の科学的知識や技術が利用されたり、生み出されたりしていることが分かった。その一方で、分析結果の解釈や表現の仕方に関して、異なるラボ間で統一された基準を作ろうと尽力していることも明らかとなった。研究の中でラボでの実践における多様性と統一基準作成との間にはジレンマが存在することも分かったが、こうした、多様性と基準形成との間のせめぎ合いはこれまでの科学・技術に関する研究との比較の中で非常に有用な論点であり、様々な証拠資料に基づいて行われる犯罪捜査プロセスに特有の点のひとつであるといえる。 更に、法科学研究所の分析結果は警察による捜査および、裁判の中で利用されるが、異なる文脈では法科学の利用のされ方や意味付けが異なることがより具体的に明らかとなった。警察と研究所では、どの分析が犯罪捜査に有用であるかの認識が異なっていたり、裁判においては、犯罪捜査における法科学者の役割が実際とは異なるあり方で認識されており、研究所の法科学者が困惑したりしていることが分かった。
|