リサイクル錯体触媒による環境調和型酸素酸化法の創生
Project/Area Number |
09J10514
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小玉 晋太朗 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 環境調和型酸素酸化 / リサイクル / 錯体触媒 / バナジウム / クラスター / 常圧酸素 / 過酸化水素水 / 環境にやさしい反応 |
Research Abstract |
錯体触媒による環境にやさしい酸化反応の開発を目指し、種々の有機化合物を対象とした酸化反応を詳細に検討し、本研究で用いるバナジウム錯体が、環境にやさしい酸化のための触媒として有用であることを示してきた。しかしながら、バナジウム触媒の活性化には高い反応温度、または高い酸素圧が必要であることが問題となっていた。本年度は、水溶媒中、常圧酸素雰囲気下においても効率良く活性化されるバナジウム触媒の開発を目指し、バナジウムと配位子の組み合わせを種々検討した。 その結果、4,4'-di-tert-butyl-2,2'-bipyridyl(4,4'-^tBubpy)を配位子に有する新規バナジウム錯体が、常圧酸素雰囲気下でアルコールの酸化触媒として機能することを見出した。さらに、有機溶媒を用いた場合と比較して、水を反応溶媒とした場合に酸化活性が大きく高められることが明らかとなった。 次に、高い耐久性と新たな反応特性が期待される異種金属多核錯体の合成を詳細に検討した。カチオン性バナジウム錯体[VO(4,4'-^tBubpy)]SO_4とタングステン酸イオンWO_4^<2->とを反応させたところ、錯体の中心金属にバナジウムとタングステンを有する異種金属四核錯体V_2W_2が得られることを見出した。また、タングステンの代わりにモリブデンを用いることで、バナジウムとモリブデンの異種金属四核錯体V_2Mo_2の合成についても成功した。これら、二つの錯体の構造は、単結晶X線構造解析を行うことで明らかとした。この異種金属四核錯体V_2W_2を酸化触媒とし、過酸化水素水を共酸化剤に用いたアルコールの酸化反応を検討したところ、バナジウム単核錯体と比較して選択性および触媒回転数(TON)が大きく向上することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)