Project/Area Number |
09J10534
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
弓場 英司 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | pH応答性高分子 / リポソーム / 膜融合 / 樹状細胞 / 細胞質デリバリー / 多分岐型高分子 / 細胞障害性T細胞 / ナノワクチン |
Research Abstract |
本年度は、pH応答性高分子とリポソームを複合化したpH応答性リポソームに着目し、高分子構造を最適化することで、免疫システムを効率良く活性化できるシステムについて検討を行った。 種々のpH応答性高分子を修飾したリポソームの膜融合性は高分子の側鎖疎水性の増加とともに向上した。これらのリポソームにモデルタンパク質・オブアルブミン(OVA)を内包し、DC2.4細胞に取りこませたところ、膜融合性の高いリポソームほどDC2.4細胞の細胞質中にOVAを効果的に運搬した。これらのリポソームをマウス鼻粘膜に投与し、脾臓における免疫反応を調べたところ、膜融合性の高いリポソームほど強力な細胞障害性T細胞(CTL)活性を誘起した。膜融合性の高いリポソームは細胞に取り込まれた後高い膜融合性によって内封したOVAを細胞質に導入し、効果的なCTL活性を誘導できたものと考えられる。 次に、立体構造を有するpH応答性高分子を設計し、更に高い膜融合性を有するpH応答性高分子の構築を試みた。線状の主鎖骨格を持つpH応答性高分子MGluPGと、多分岐型の主鎖骨格を有し、種々の重合度を持つMGlu-HPGを合成した。MGlu-HPGはその重合度の増加とともに疎水性度が増大し、脂質膜とより強く相互作用した。また、MGlu-HPGで修飾したリポソームはMGluPGよりも高いpH応答性を示した。これらのリポソームを用いてDC2.4細胞にOVAを導入したところ、MGlu-HPG修飾リポソームはMGluPGに比べてより効率良く細胞内で融合し、細胞質にOVAを運搬できることが分かった。このように、pH応答性高分子の主鎖骨格が高分子の膜融合活性に影響を与え、多分岐構造を有するMGlu-HPGを用いることで、細胞内に効率良く抗原タンパク質を導入できるpH応答性膜融合リポソームを構築することに成功した。
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