Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
自分のことを考えること,すなわち「自己注目」は抑うつと関連する不適応的な素因であると考えられてきた。しかし自己注目にはこうした不適応的な側面(反芻)に加え,抑うつの抑制につながる適応的な側面(省察)もあると考えられている。抑うつを抑制するためには不適応的な自己注目を取り除き,適応的な自己注目を促進すればよいと予想されるが,本研究ではこうした自己注目の相反する2側面に焦点を当て,ネガティブ感情や抑うつ,睡眠との関連を検討した。まず,日常生活の中で,より不適応的な自己注目とされる反芻がいつ生じやすいのかを検討したところ,抑うつ傾向が高い人において,夕方から夜にかけて反芻が生じやすいことが明らかとなった。この結果から,夜間の考え込みが特に,われわれのメンタルヘルスに悪影響を及ぼしていると考えられる。そこで次に,反芻と睡眠との関連を縦断調査により検討したところ,高い反芻や心配の傾向は,将来の睡眠の悪化を予測することが明らかとなった。これらの結果から,反芻を取りのぞき,より適応的な思考スタイルの獲得することで,抑うつの予防が実現できると考えられる。そこで最後に,適応的自己注目スタイルの促進を目的とした認知トレーニングを大学生を対象に実施した。分析の結果,トレーニングの前後において感情制御能力の向上が確認された。以上の結果から,不適的な自己注目スタイルからより適応的なスタイルへとシフトさせることが,メンタルヘルスの向上に寄与できるものと考えられる。
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