イオン導電性高分子アクチュエータを用いたマイクロマシンに関する研究
Project/Area Number |
09J10607
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
菊地 邦友 Wakayama University, 大学院・システム工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | イオン導電性高分子 / 高分子アクチュエータ / マイクロマシン / 微細加工技術 / 空気中駆動 / 動作モデル / イオン液体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、イオン導電性高分子アクチュエータ(Ionic Polymer-Metal Composite : IPMC)のマイクロマシン、特に空気中駆動のマイクロマシンへの応用である。本年度は、IPMCの空気中動作時における印加電圧-変位特性、印加電圧-発生力特性、複素インピーダンス特性およびそれらの雰囲気湿度依存性を評価し、IPMCの基本応答モデルの構築を行った。そのため、まず空気中で駆動可能なIPMCの作製方法として、IPMCをイオン液体と水の混合液中に常温で浸漬することによる新たなイオン液体の導入方法を提案した。この結果、同一基板上に他のデバイスとIPMCを集積化する際、従来の方法よりも他のデバイスに対する物理的、化学的な影響が小さい方法で空気中駆動可能なIPMCを作製可能であることがわかった。また、屈曲曲率および駆動電流のステップ電圧応答の実験から、従来IPMCの最も単純な等価回路として考えられていたイオン性高分子膜の抵抗と電気二重層キャパシタの直列回路に対し、電極と高分子膜の間のリーク抵抗を考慮することにより、考慮しない場合よりも長時間の駆動電流の振る舞いを説明できることがわかった。また、電圧印加により生じたカウンターイオン密度の増減を電極近傍のみとしたモデルに対する屈曲曲率の関係を表す式を導き、IPMC内部の体積ひずみはカウンターイオン密度に比例することを示した。実験との比較の結果、移動したカウンターイオンはその体積の2~3倍の体積変化をIPMCに対して生じさせると考えると、電圧印加後約30秒間の曲率の時間変化を説明できることがわかった。従来の水中駆動のIPMCの動作モデルでは、特定のカウンターイオン(例えば、水素イオン)を含むIPMCの変位量の実験値を基準にし、相対的、定性的な変位量の議論がされていた。これらのことから、イオン液体を用いたIPMCの空気中動作においては、提案モデルのように移動したカウンターイオンの体積効果を考慮することで、従来モデルよりも定量的にIPMCの動作を説明できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)