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19世紀アメリカ・リアリズム文学における男性感傷研究

Research Project

Project/Area Number 09J10689
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeSingle-year Grants
Section国内
Research Field 英米・英語圏文学
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

生駒 久美  The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2009
Project Status Completed (Fiscal Year 2009)
Budget Amount *help
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Keywords男性感傷 / モダニズム小説 / リアリズム小説
Research Abstract

申請者は、20世紀初頭のアメリカ・モダニズム小説を読漁することを通じて、19世紀リアリズム小説における男性感傷の問題を考察してきました。その結果、モダニズム小説と比較することで、リアリズム小説において、男性登場人物達の感傷が称揚されていることに注目してきました。
モダニズム小説に関して言えば、アーネスト・ヘミングウェイの『日はまた昇る』における主人公ジェイクは、感傷的(女性的)な男性登場人物コーンに批判的であるのに対し、(男性性を象徴する)若い闘牛士には強い憧憬の念を抱いています。ウィリアム・フォークナーの『響きと怒り』におけるジェイソンは、恋愛感情よりも家長として振る舞うことを優先します。モダニズム小説において感傷とは女性性を指し、否定的な意味しか持ちませんでした。しかし、それにもかかわらず男性登場人物の感傷(もしくは女性性)の抑圧は必ず失敗に終わるのです。モダニズム小説における男性感傷は、抑圧の失敗といった形で担保されていると見なすことが可能です。
一方、社会をありのままに捉えようとするリアリズム小説家は、主に女性の共感に基づいたユートピア的共同体を称揚する感傷小説に反発し、社会から疎外され、苦悩する男性への共感をしばしば描きました。例えば、ウィリアム・ディーン・ハウェルズの『サイラス・ラパムの向上』における、事業に失敗したラパムに対する上流階級トムの共感、マーク・トウェインの『トム・ソーヤの冒険』におけるインジャン・ジョーに対する主人公トムの共感、ヘンリー・ジェイムズの「密林の野獣」における愛する者の墓前でむせび泣く男に対する主人公マーチャーの共感を挙げることができます。
このように、男性感傷という主題は、モダニズム小説においては、失敗を前提としながら抑圧されるものであったのに対し、リアリズム小説においては重要であったことを確認してきました。

Report

(1 results)
  • 2009 Annual Research Report

URL: 

Published: 2009-04-01   Modified: 2024-03-26  

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