γ-secretaseの構造活性相関の解明に基づく機能制御法の開発
Project/Area Number |
09J10747
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 穏香 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | γ-secretase / アルツハイマー病 / 膜タンパク質 / 分子細胞生物学 / 膜内配列プロテアーゼ / 構造活性相関 |
Research Abstract |
アルツハイマー病発症に重要であると考えられているアミロイドβ蛋白の産生に関わるγ-secretaseは、アルツハイマー病の重要な創薬標的分子である。本研究においては、γ-secretaseの活性中心サブユニットであるプレセニリン(PS)1に存在する基質認識機構について、その構造との関連において明らかにすることを目的として研究を行うてきた。これまでに我々はPS1のtransmembrane domain 1(TMD1)周辺の構造に関してシステインケミストリーを利用した構造生物学的解析法であるSCAMによる解析を行い、基質がPS1に結合することによりTMD1は細胞質側へ動くことを示してきた。当該年度においては、このダイナミクスを固定化するラットモノクローナル抗体を作出し、本抗体がγ-secretase活性を有意に低下させることを見出した。この成果はTMD1のダイナミクスが新たな創薬ターゲットとなる可能性を提示するものであり、アルツハイマー病の基礎研究として大変価値がある。一方これまでにPS1のHydrophilic loop 1(HL1)に関するSCAMによる解析からHLI1の一部がα-helix構造をとり、その構造が基質結合部位形成に関与することを示してきた。そこで、実際に基質結合部位を形成しているかを判断するため阻害剤を用いた解析を行ったところ、α-helix構造中に位置するS132が直接的な基質結合部位である可能性が示された。またS132の各種アミノ酸置換体を作製したとろ、塩基性アミノ酸に置換するとγ-secretase活性が低下することが分かった。これらの結果から、基質はHL1内のS132と相互作用することが示唆された。さらに、PS1のTMD3についてSCAMによる構造解析を進めた結果、L166が膜内の親水性環境にあること、活性中心アスパラギン酸周辺の重要なモチーフ構造に近い位置に存在することが明らかとなった。L166は家族性アルツハイマー病に連鎖する変異を有するアミノ酸であり、これらの結果はアルツハイマー病発症機構を解明する上で重要な成果である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)