二枚貝類のミトコンドリア両性遺伝における精子mtDNA保持メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J40012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐野 菜採 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | ムラサキイガイ / ミトコンドリア / mtDNA / 両性遺伝 / 初期胚 / 生殖細胞形成 / レーザーマイクロダイセクション / 精子形成 / 始原生殖細胞 / リアルタイムPCR / SNP解析 / FACS解析 / ミトコンドリアDNA / Vasaタンパク / 精母細胞 / 精原細胞 / 精細胞 / 精子 |
Research Abstract |
本年度はムラサキイガイの精巣組織の凍結切片を作成し、レーザーマイクロダイセクション法により、精原細胞、精母細胞と精細胞、精子を分取した。分取した組織より、DNAとRNAを抽出し、雄型mtDNAのコピー数および転写量を定量した。その結果、DNAコピー数は精原・精母細胞より精細胞・精子でやや少なかった。転写量は精原・精母細胞と精細胞・精子で顕著な差は認められなかった。つまり、精子形成過程で雄型mtDNAの転写率はやや上昇することが明らかになった。 また、ムラサキイガイの人工授精を行い、各交配の幼生を経時的にサンプリングし、DNAとRNAを抽出し、雄型mtDNAのコピー数および転写量を定量した。その際、各交配の2,4細胞期に蛍光染色した精子ミトコンドリアの分布パターンを観察した。ムラサキイガイでは母親により子の性比が偏り、その偏りが受精卵中の精子ミトコンドリアの分布パターンと一致することが知られている。これを利用し、各交配の性比の偏りを判定した。 その結果、この性が雄に偏る交配では雄型の雌型に対する存在比は6時間後まで減少した後、上昇した。雄型の転写量は受精6時間後まで減少するが、その後増加した。一方、雌に偏る交配では、雄型mtDNAは受精20時間後から減少した。転写量は受精後から減少したままの交配が多かった。 つまり、雄型mtDNAの転写量は精巣での精子形成過程では変化しないが、雄になる交配の初期発生中のトロコフォア幼生期に雄型mtDNAの転写量が上昇することを明らかにした。トロコフォア幼生期は生殖幹細胞が増殖し始める時期と考えられており、精子mtDNAの転写が生殖細胞形成と関連していることが示唆された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(9 results)