トレハロース投与による樹木苗木の耐乾性・耐塩性の向上
Project/Area Number |
09J55421
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
村田 直樹 Tottori University, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | トレハロース / 耐塩性 / 耐乾性 |
Research Abstract |
本研究では乾燥地緑化に用いられる樹木の活着率向上を目指し、乾燥による細胞の失活を抑える機能が知られるトレハロースを投与することによって苗木の耐乾性・耐塩性を向上させることが可能か調査を行った。水耕栽培したスナナツメ(Elaeagnus oxycarpa)苗木をトレハロースを加えた培養液で2日間栽培した後、NaCl溶液に移して生育の健全度、光合成速度、クロロフィル蛍光、トレハロース含量などの変化を観察した。その結果、トレハロース処理による葉中のトレハロース含量の一時的な増加が観察された。またトレハロース無処理の苗木に比べトレハロースを処理した苗木の方が塩ストレス条件下で健全度が高くなっていた。しかしその後の追加実験から、このような耐塩性の向上はトレハロースが直接もたらしたものではなく、トレハロース処理に伴う浸透圧ストレスに対して苗木が順化したことによるものと考えられた。 次に点滴チューブを用いてスナナツメ苗木の幹にトレハロース溶液またはスクロース溶液を注入し、耐乾性の変化を評価する実験を行った。結果、トレハロースを注入した苗木では葉中のトレハロース濃度の大幅な増加が認められ、またフルクトース、グルコース、スクロースの含量も増加していた。スクロースを注入した苗木でも同様に糖類の含有量の増加が観察された。スクロースの投与による苗木の生育への影響はほとんど認められなかったにもかかわらず、トレハロース溶液を注入した苗木では点滴直後から顕著な葉の変色や脱落が観察され、また耐乾性の向上も見られなかった。 これらの実験から、外部からのトレハロースの投与は苗木のトレハロース含量を増加させるが、苗木の耐乾性や耐塩性の向上には寄与しない可能性が高いと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)