細胞分化過程における核膜孔複合体構成因子の糖鎖修飾変化とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
09J56422
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波田 千彰 (水口 千彰) 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 細胞分化 / 核膜孔複合体 / 糖鎖修飾 |
Research Abstract |
本研究は、細胞の核膜上に存在する核膜孔複合体構成因子であるヌクレオポリンが、細胞分化の過程でどのように糖鎖修飾を受け、その機能が制御されているかを明らかにするとともに、ヌクレオポリンの糖鎖修飾が細胞分化にどのような影響を与えるかを解明する事を目的としている。 ヌクレオポリンの多くは、そのセリン、スレオニン残基が0結合型N-アセチルグルコサミン(O-GlcNAc)転移酵素(OGT)により、O-GlcNAc付加する事が知られているが、その生理的意義はほとんど明らかになっていない。そこで、本研究ではまず、培養の容易なHeLa細胞を用いて、ヌクレオポリンのO-GlcNAc修飾が、細胞内核-細胞質間輸送にどのように影響しているかを調べた。まず、OGTをsiRNAによりノックダウンし、ヌクレオポリンのO-GlcNAc付加を減少させた細胞を作製した。核内輸送への影響を検討するために、さらにそれをジギトニン処理することによって、核膜をインタクトに保ちつつ、in vitroトランスポートアッセイを行った。その結果、O-GlcNAc付加が減少した細胞では、importinα/βによる核蛋白質の核内移行の効率が高くなる事が明らかになった。特に、O-GlcNAc付加が減少した細胞では、核内移行に必須であるはずのRan非存在下でも核蛋白質基質が核内に移行した。一方で、単純拡散で核内に移行できる小分子蛋白質であるGFPの核内移行効率は、O-GlcNAc付加が減少した細胞でも変化しなかった。 今後、この系を利用しつつ、ヌクレオポリンの糖鎖修飾が、細胞分化にどのような影響を与えるかについての研究の進展が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)