Project/Area Number |
10115210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東 潮 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70243673)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 楽浪 / 夫餘 / 木槨墳文化 / 東北アジア |
Research Abstract |
3世紀の東北アジア諸地域の夫餘の墓制に関して研究をおこなった。この間の遼寧省西豊西岔溝、吉林省楡樹老河深墳墓群、吉林市東団山土城跡の調査をつうじて、扶餘の墳墓と都城について考察した。 夫餘の境域の中心は、松花江流域の平原地域(松遼平原)にある。北は、楡樹老河深墳墓群が北界に位置し、松花江の北に流れる黒竜江省との境である拉林河、南は揮発河の樺甸から輝南にかけての地域、西は西豊西岔溝付近から遼河東岸地域となろう。 夫餘族は松花江の支流の氾濫(原)をも含んだ肥沃な土地で五穀を栽培し、8万戸の人口を養する農業生産力があった。夫餘では赤瑪瑙の特産物があり、農工具との交易品となっていた。後漢の安帝永寧元(120)年、印綬と金綵が授けられている。扶餘の墳墓から漢式剣が出土する。扶餘族は、中原と北方文化との影響をうけている。 夫餘では、「以弓矢刀矛為兵」とあるように、刀剣・矛・鏃の鉄製武器も発達している。在地製の武器も存在する。老河深56号墓では、有格木柄鉄剣と金銅神獣牌飾・金銅鹿文牌飾・金銅巻曲文牌飾・金耳飾、瑪瑙玉が出土している。 松花江流域の墳墓・土城が、『魏書』東夷伝に記された扶餘族の風俗などに類似することが指摘でき、一つの文化が形成されていたことがわかる。今後、夫餘と隣接する鮮卑や匈奴墓の木槨構造、楽浪地域、三韓地域の木槨・木棺墓について、民族・種族と墓制との観点から、研究を継続する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)