ナノ結晶体の分子動力学シミュレーションに基づく超塑性の発現機構の解明
Project/Area Number |
10122215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 彰宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50252606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾方 成信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20273584)
北川 浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30029095)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超塑性 / 分子動力学 / ナノ結晶 / 結晶粒界 / 転位 / シミュレーション / 変形 / 有限要素法 |
Research Abstract |
超塑性変形時の材料の微視的組織の動力学的変化の解明のための基礎的研究として、ナノ多結晶体に対する分子動力学シミュレーションを実施し、以下の知見を得た。 (1) 2次元モデルに対する引張変形の分子動力学シミュレーションにより、結晶配向の違いによって、挙動にぜい性的、あるいは、延性的といった違いが現れることがわかった。延性的な挙動は、主として、粒界移動、粒内転位の発生と運動、変形双晶の発達に関連して現れることがわかった。一方、ぜい性的な挙動は、ボイドの形成を伴って起こり、別に行なった有限要素解析の結果、強い特異性を示す三重点でのボイド発生が顕著に見られることがわかった。 (2) 3次元モデルの引張変形の分子動力学シミュレーションにおいて粒径と最大応力との関係を調べた結果、ホール・ペッチの関係と逆の傾向を示すことがわかった。これは、実験で得られている知見と一致している。 (3) ボロノイ分割を用いた3次元モデルの引張変形の分子動力学シミュレーションにおいて結晶粒の変形と回転および、マクロな変形挙動との関連を調べた。粒界移動と粒界を起点とする転位生成と同時に結晶粒の回転が生じていることがわかった。また、変形後の局所的なポテンシャルエネルギーの評価から、粒界が拡散的に広がっている傾向にあることがわかった。 以上の結果は、現実の超塑性変形時に起こっているメカニズムを直接的に再現しているものではないと考えられるが、そのメカニズムを考察する一助となると考えられ、本研究を通じて、原子レベルシミュレーションの有効性が示されたと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)