半導体・金属ナノクラスター/高分子ハイブリッド組織体の光制御合成
Project/Area Number |
10126204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50134838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 浩史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20261282)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 硫化カドミウム / 半導体超微粒子 / キレート高分子微粒子 / 粒子径制御 / 分散制御 / 量子サイズ効果 / 光照射合成 |
Research Abstract |
球形のキレート高分子に半導体である硫化カドミウム(CdS)を分散させた半導体/有機高分子ハイブリッド組織体の合成法を確立するとともに、高分子媒体中におけるCdSの光学・分散特性を制御することを目的として研究を進めた。 高分子媒体中におけるCdSの粒子径分布と分散特性は、CdSの合成時におけるNa_2S水溶液の濃度やNaClのような電解質の有無により制御可能であることを明らかにした。更に、より精密なCdSの粒子径制御を行うため、合成時の光照射効果を詳細に検討した。半導体超微粒子は量子サイズ効果を示すことが知られており、その吸収波長は微粒子のサイズと1対1で対応する。従って、CdSの合成を単色レーザー光照射下で行うことにより、照射波長に対応した超微粒子サイズよりも大きいCdSが光吸収して微粒子中に電子と正孔が生成する。この電子・正孔対をCdSの溶解反応に利用することにより、あるサイズ以下のCdS超微粒子だけを選択的に合成可能となるはずである。実際に、空気下、アルゴンイオンレーザーからの458nmの光を照射しながらCdS超微粒子の合成を行うことにより、高分子媒体中におけるCdSの吸収スペクトルの短波長シフトが観測された。光照射時と非照射時の試料の光学顕微鏡写真や電子顕微鏡写真などの比較から、光照射しない時に生成していた高分子媒体表面近傍の4nm以上のCdS超微粒子が光照射により溶解し、結果的にCdS超微粒子の粒子径分布が狭くなることが確認された。アルゴン雰囲気下における同様な実験ではCdSの光溶解は認められなかった。このことから、CdSの光溶解は超微粒子中に生成する電子・正孔が酸素と反応し、CdSがcd^<2+>とじて溶解することが示された。今後、照射波長や超微粒子中に生成する電子・正孔と酸化還元反応し得る試薬類の選択により、より高度な粒子径制御が期待されるとともに、本手法に基づいた光触媒や非線形光学材料として利用可能な半導体超微粒子/有機高分子ハイブリッド組織体が開発されるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)