Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
酵素学的アプローチ ヒドロゲナーゼの活性化(すなわち水素還元)により,(SO,CO,CN,S/SH)の4本の非タンパク質配位子が大きな構造変化を起こすことを予想し,それを,特定する実験を行った.その結果,水素でヒドロゲナーゼを活性化すると,H_2Sが.発生することを見出した.これは活性部位の非タンパク質配位子が水素還元によりH_2Sとして遊離したことと,更に,活性中心の配位子のうち少なくともひとつはH_2Sとして遊離するイオウの化合物であることを伺わせる結果であった. 還元型超高分解能結晶構造解析 上記還元反応の生成物(H_2S)が活性部位から遊離した配位子であることを証明するために,ヒドロゲナーゼの水素還元型結晶の低温超高分解能構造解析を試みた.還元型結晶の1.4Åの超高分解能の電子密度図を計算したところ,NiとFeをブリッジしていた単原子配位子が水素還元により活性部位から消えることが分かった.これは,上の酵素化学的データと合わせて,この単原子配位子がイオウの化合物であり,水素還元によって遊離されたことを強く裏付ける結果である.実際,この活性部位のブリッジ配位子以外に還元による大きな構造変化はなかった.活性化で消失するブリッジイオウ配位子は,ごの酵素が不活性な状態の時,これらの金属中心(FeとNi)に余計な配位子が入り込まないようにキャップとしてブロックする機能を持つという新しい説を提案することができた.
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