走査型トンネル顕微鏡によるリチウムイオンの黒鉛への挿入反応のその場解析
Project/Area Number |
10131235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小久見 善八 京都大学, 工学研究科, 教授 (60110764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 武志 京都大学, 工学研究科, 助手 (80291988)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / リチウム二次電池 / 負極 / 被膜 |
Research Abstract |
リチウム二次電池の負極反応の基礎研究として、高配向性熱分解黒鉛へのリチウム挿入反応のその場解析を行い、特にリチウムイオン伝導性被膜の形成機構を走査型トンネル顕微鏡を用いて調べることを目的とした。一般にリチウム二次電池の電解液には炭酸エチレン系溶媒が用いられている。この溶媒を用いるとリチウムの炭素材料への挿入が速やかに生じる。一方でより安価で電位窓の広い炭酸プロピレン溶液を用いると、リチウムの黒鉛へのインターカレーションは生じず、黒鉛の剥離が生じる。昨年の研究では、走査型トンネル顕微鏡を用いて、炭酸エチレン系溶媒、炭酸プロピレン溶媒中でのリチウムイオンの黒鉛への挿入機構の相違を調べた。本年度は、炭酸プロピレンにクラウンエーテルを添加したときの黒鉛の電気化学的挙動を調べるとともに、リチウムの挿入機構について昨年度と同様、走査型トンネル顕微鏡を用いて調べた。 炭酸プロピレンにクラウンエーテルを添加した場合、サイクリックボルタモグラムでは第1サイクルこそ溶媒分解の還元電流が認められるが、第2サイクル以降はその電流が認められず、リチウムイオン伝導性被膜が形成されたことが分かった。走査型トンネル顕微鏡を用いて、クラウンエーテル添加炭酸プロピレン溶液中での黒鉛へのリチウムイオンの挿入反応を調べると、リチウム金属基準で約0.7V近傍で高さ約1nmの丘上構造を持つステップが黒鉛表面で生じたことが分かった。この丘上構造の原子像は典型的な黒鉛表面のものであったことから、この反応は黒鉛内部で生じているものであり、またリチウムとクラウンエーテルが溶媒和したものが、黒鉛層間に侵入した場合、その層間の厚みは約1nmになることから、この現象が溶媒和リチウムが挿入して生じたものと考えられる。すなわち、被膜形成反応の第1ステップは、溶媒和リチウムの挿入から始まることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)