Project/Area Number |
10146217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
野上 隆 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80029280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 尚行 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00232306)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 強磁性体 / 有機ラジカル化合物 / 結晶構造 / 遷移金属錯体 / 磁化率 / μSR / 中性子回折 / 配位化合物 |
Research Abstract |
1 π共役有機NOラジカルの分子間強磁性的相互作用 各種π共役安定有機NOラジカルを合成し、磁気測定を行った結果、強磁性的相互作用を示す系をいくつか見つけた。π共役骨格としてはアクリジン、フェナンスレン、ベンズイミダゾール等を用いた。結晶構造解析結果をもとに強磁性的相互作用の原因を調べた結果、2種類の相互作用を見つけた。1つはMcConnellモデルによるものであり、π電子系の重なりでは、分子間で最近接原子同士は反平行のスピンを誘起しあうという原理に基づく。もう1つは、ある分子のSOMOが隣原子のSOMOと直交していることに基づく。またアルキル基を有するビス(ジフェニル)ニトロキシドは、アルキル基が長くなるにつれて強磁性的相互作用が強くなった。分子間アルキル鎖同士のファスナー効果が原因と思われる。 2 TEMPO系強磁性体の強磁性的相互作用 TEMPO系強磁性体ではNOラジカル部位は2次元ジグザグ面を形成し、面内の磁気的相互作用は既に解明された。面間相互作用に関して、偏極中性子回折およびμSR測定などから、面間に存在するフェニル環同士の重なりによる磁気的相互作用の伝達経路を明らかにした。 3 ピリミジン・遷移金属錯体の磁性 メタ配位子であるピリミジン(PM)とCu(II)、Co(II)などの錯体を各種合成し、構造と磁性の関係を調べた。その結果、PMの2つの窒素上での配位が、axial/equatorial配位の時は強磁性的相互作用が、equatorial/equatorial配位の時は反強磁性的相互作用が働くことを明らかにした。これは隣同士の磁性軌道が重なりをもつか直交するかに起因する。また、PM_2CoX_2(X=Cl,Br)はキラルな結晶構造をもち、5Kで弱強磁性体に転移した。
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