Project/Area Number |
10152244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | がん / 転移 / メタロプロテアーゼ / MT-MMP / プラスミン / ミニプラスミン / マトリックス |
Research Abstract |
がんの転移と浸潤には、マトリックス蛋白質の分解の抗進が必須である。そのためプロテアーゼ群によるカスケードを形成しているが、我々は前駆体型膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼ(Pro-MT-MMP)を細胞膜表面で活性化するプロテアーゼがプラスミン及びブラスミン様酵素群であることを発見した。本年度の研究においては、このプラスミン様酵素の実体をさらに詳細に検討した。その結果このプラスミン様酵素は、28kDaと14kDaがS-S結合で複合体を形成しており、各々のサブユニットのN末端からアミノ酸一次構造解析から、ミニプラスミンと同定された。ミニブラスミンは、プラスミンのL鎖の中で重要な機能領域であるクリングル1〜4領域を欠く構造体である。塩基性アミノ酸を多く含み、血管新生抑制作用を示すL鎖のクリングル1〜4番を欠くことは、全体として疎水性が増し、細胞膜表面に強固に結合して、Pro-MT-MMPを成熟型に容易に変換することが強く示唆された。さらにミニプラスミンが分子量が約36kDaの蛋白質で、プラスミンの分子量が約90kDaであるのに比較すると、分子サイズが小さくなることでPro-MT-MMP以外の多くの蛋白質と相互作用を持つことがうかがえた。 今後ほかのマトリックスメタロプロテアーゼの活性化にもミニプラスミンがどのように関与するか明らかにしてゆく。
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