マラリア原虫の病原性に係わる熱ショック蛋白質の機能
Project/Area Number |
10166216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
姫野 國祐 徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 洋一 徳島大学, 医学部, 助手 (10294670)
酒井 徹 徳島大学, 医学部, 助手 (40274196)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | マラリア原虫 / 病原性 / 熱ショック蛋白質 / HSP90 / 原虫感染免疫 |
Research Abstract |
HSPは、生物が原核細胞から高等動物への進化の過程で、様々な環境下において適応分化する上で本質的な係わりを持ってきたと考えられている。このようなHSPの機能を鑑みると、宿主防御からの厳しい攻撃に耐えてエスケープし、感染を成立させるために病原体自身もHSPを活用しているであろう。予想のごとく我々の一連の実験から、HSP90がマラリア原虫の強毒株の病原性(エスケープ)に関与していることを示唆させる以下のような結果が得られた。 i) 免疫系の正常なC57BL/6マウスやBALB/cマウスは、マラリア原虫(Plasmodium yoelii)の弱毒株(NL strain)に感染した場合に、一時的にparasitemiaが出現するが感染後3週間頃までに完治する。一方強毒株(L strain)感染では、3週間以内に全て感染死する。 ii) 弱毒株が感染したC57BL/6マウスやBALB/cマウス赤血球から回収した原虫は、HSP90の発現は弱いが、強毒株の感染後回収した原虫には、HSP90の非常に強い発現が見られる。 iii) 強毒株、あるいは弱毒株を感受性のSCIDマウスに感染させた後に回収した原虫からは、完全にHSP90は消失する。 iv) C57BL/6マウスからαβ型T細胞、ことにCD4^+T細胞を除去後に強毒株を感染させた場合には、回収原虫からHSP90は消失する。なおこのHSP90は、強毒株マラリア原虫の核内に発現する。 このようにマラリア原虫は、強毒になるほど原虫自体にHSP90を発現して宿主防御免疫系からエスケープを図る。しかし、感染防御能を欠いたCD4^+T細胞の除去マウスやSCIDマウスに感染した場合には、容易にエスケープできるためHSP90の発現を必要としない。 なお毒力とHSP90発現の関連性は、Plasmodium bergheiの強毒株と弱毒株間においても見られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)