Th分化を調節する抗原提示細胞内酵素・カテプシンB
Project/Area Number |
10167214
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
姫野 國祐 徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 洋一 徳島大学, 医学部, 助手 (10294670)
酒井 徹 徳島大学, 医学部, 助手 (40274196)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | カテプシン / 抗原プロセッシング / Th1 / Th2 / リーシュマニア症 |
Research Abstract |
抗原特異的免疫応答におけるCD4陽性T細胞は、外来性抗原由来のペプチドによって活性化される。抗原からペプチドへの切断は、抗原提示細胞内リソソームに存在する蛋白分解酵素群によって行われる。我々は、リソソーム内に存在するカテプシンBおよびDに着目し、Th1/Th2分化のモデルである実験的リーシュマニア症におけるこれら酵素の機能的差異をTh1/Th2の分化の方向性を指標に検討した。 リーシュマニア感染においてカテプシンBを特異的に阻害すると、感染増悪性のTh2型を示すBALB/cマウスは感染抵抗性のTh1型が優位となった。また、対照群の抗体が認識する抗原に対して阻害剤投与群では抗体産生が減弱し、逆に対照群には認められない抗原に対して抗体産生が誘導されていた。さらに、リソソームによるリーシュマニア抗原のプロセッシングはカテプシンB阻害剤により抑制されたが、一部の抗原に対してはその抑制がかからなかった。このことから、Th1型へと変化させるカテプシンB阻害による抗原プロセッシングの変化は、抗原ペプチドの量的たけでなく質的な変化も考えられた。 我々はカテプシンBと同様にカテプシンD特異的阻害剤による免疫応答の変化を観察した。阻害剤投与マウスは感染感受性で感染の増悪を示したが、リンパ節細胞は抗原特異的刺激に対して低反応しか示さずT細胞が活性化されていなかった。また原虫特異的IgGおよびIgE型抗体産生も減弱していた。よって、カテプシンDはプロセッシング全体の調節および抗原ペプチドの提示機構への関与が示唆された。 これらのことからリソソームに存在する蛋白分解酵素間でその機能には違いがあることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)