CATCH22症候群における遺伝子レベルでの発生機構の解析
Project/Area Number |
10168214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 康雄 大阪大学, 医学部, 助手 (50283784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 公美子 大阪大学, 医学部, 助手 (90294066)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | DiGeorge症候群 / CATCH22 / 共通欠失領域 / 22q11 / VNTR |
Research Abstract |
CATCH22は染色体22q11の欠失を伴う先天奇形症候群である。種々の表現型があり、隣接遺伝子症候群と考えられている。また、患者の大多数がde novoの、しかも共通の欠失領域をもっているため、欠失の生じやすいゲノム構造が示唆される。CATCH22の共通欠失の発生機構の解明を目的として以下の研究を行った。CATCH22共通欠失領域の遠位端を含むYACクローンからコスミドのサブライブラリーを作製し、これらをコンテイグ化した。遠位端の同定の目的でパルスフィールドゲル電気泳動法による解析を行ったが、この領域は高度に多型性を示し解析が困難であった。FISH解析の結果、この領域のコスミドの約半数は22q11特異的反復配列を含んでおり、これらはCATCH22欠失領域の遠位端のみならず近位端近傍にも存在することが判明し、この領域が組み換えの候補と考えられた。ところが、サザンブロット解析においても高度に多型性を示し遠位端の同定は不能であった。ただし、共通欠失を示す患者の中で、この領域のdosage解析の結果が、数タイプのパターンに分類でき、欠失の遠位端はこの領域にクラスターを形成していると考えられた。遠位端のサザンブロット解析の過程で我々はこの領域にVNTRを発見した。このVNTRも22q11に複数のコピーを持っており、FISH解析にて欠失の近位端側にも存在することが判明した。VMTRが組み換えを起こしやすい性質に注目しこの解析を行った。このVMTRの近位端側のクローンをヒトゲノムライブラリーから単離した。そしてこのクローンが共通欠失の近位端を含むYACクローンに含まれることをPCR法にて確認した。これらのクローンの全塩基配列の検討を行った結果、これらは90%以上の相同性を示した。また、共通欠失を持つ患者での間期核FISHによって、これら近位側、遠位側の反復配列が融合していることを証明した。以上により、大多数の患者の示す共通欠失領域の断端には数10kbにわたり、VNTRを含む領域特異性反復配列が存在し、これらを介した不均衡交差によってCATCH22の共通欠失が発生していると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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