原核生物における新しい環境応答分子シャペロンの機能
Project/Area Number |
10172101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
太田 敏子 筑波大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40233134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 直正 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (30121560)
平田 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40049052)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 重金属応答遺伝子 / 薬剤応答遺伝子 / 細胞壁合成阻害剤 / 熱応答プロモーター / シグマ70 / シグマB / 色素産生遺伝子 / agrオペロン |
Research Abstract |
(1) 重金属応答遺伝子のクローニングとその機能解析 黄色ブドウ球菌の染色体DNAライブラリーからDifferential Display法により単離した熱応答が見られたクローンのなかに、重金属耐性遺伝子の転写抑制因子と排泄蛋白質にそれぞれ相同性が高い、11.4kDa(czrA)と36kDa(czrB)蛋白質をコードしている遺伝子を見い出した。二価の重金属に対する応答性を転写レベルで調べたところ、亜鉛とカドミウムに応答することが明らかになった。czrBノックアウト変異株の解析により、変異株では親株に比べて亜鉛感受性になっており、亜鉛の細胞内蓄積量が増大していることが明らかになった。黄色ブドウ球菌の場合、重金属耐性遺伝子はプラスミドに局在していることが知られているが、このczrオペロンは染色体に限局するものであった。このczrオペロンは細胞内で必要な亜鉛の濃度を管理するため、膜を貫通してZnを輸送する役割をしていることが強く示唆された。 (2) 薬剤に応答する遺伝子の解析 化学ストレスのうち、薬剤に着目して応答する蛋白質を解析すると、顕著に発現増強する新しい35kDaの膜蛋白質が見いだされる。遺伝子をクローニングしたところ、この遺伝子drp35は転写レベルで細胞壁合成阻害剤にのみ応答し、黄色ブドウ球菌に特異的であり、耐性機構に関与しているらしい。 (3) ストレス応答時に転写を促すシグマ因子の解析 黄色ブドウ球菌では、sigA(シグマ70)の熱応答プロモーターが熱応答時に機能すること、また、sigB(シグマB)のノックアウト変異株を作成して、その支配下にある遺伝子を検索したところ、sigBはアルカリ応答遺伝子aspオペロン、色素産生遺伝子、および病原毒素の発現を支配するargオペロンの増殖静止期を認識していることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)